crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "HIF1A Knockout by Biallelic and Selection-Free CRISPR Gene Editing in Human Primary Endothelial Cells with Ribonucleoprotein Complexes" Brandt CB [..] Lin L, Luo Y. Biomolecules 2022-12-22. https://doi.org/10.3390/biom13010023 [著者所属] Aarhus U,  Qingdao-Europe Advanced Institute for Life Sciences (BGI-Qingdao, -Shenzhen)
 初代内皮細胞(EC)、特にヒト臍帯静脈内皮細胞(human umbilical vein endothelial cells : HUVEC)は、血管生物学に広く用いられている細胞である。しかし、ECは、DNA導入効率の低さや増殖能の限界から、その遺伝子編集が困難であることが知られている。デンマークと中国の研究チームが今回、Cas9-sgRNA RNPを介した高効率かつ細胞選択不要なHUVECs遺伝子編集法を確立した。
  • ヌクレオフェクションによる初代HUVECへのメッセンジャーRNA(mRNA)導入について、効率的で費用対効果比の高いプロトコルを確立した。EGFP mRNAを用いた場合、HUVECへのトランスフェクション効率はほぼ100%であった。
  • この最適化されたDNAフリーアプローチを用いて、初代HUVECにいて、HIF1A遺伝子を標的とする3種類のgRNAを用いたRNP媒介遺伝子編集を試みた。その結果、編集細胞の選択プロセスを経ることなく、高効率(98%)でバイレリックなHIF1Aノックアウトが可能なことを確認した。
  • その上で、HIF1AノックアウトがECの血管新生特性および低酸素に対する反応に及ぼす影響を対象とする機能アッセイが実現した。
 本研究により、初代内皮細胞(HUVEC)の遺伝子編集を簡便に行い、ECの機能を研究・操作することが可能になった。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット