[出典] "Single Molecule FRET Analysis of CRISPR Cas9 Single Guide RNA Folding Dynamics" Okafor IC, Ha T. J Rhys Chem B. 2022-12-23. https://doi.org/10.1021/acs.jpcb.2c05428 [著者所属] Johns Hopkis U, HHMI.
 CRISPR-Cas9システムによるゲノム編集活性に関連してこれまで、主として、DNA結合、巻き戻し、および切断の分子機構の研究が行われてきた。米国JHUの研究チームは今回、sgRNAの折り畳みとCas9との結合からRNP (Cas9 RNAリボ核タンパク質) 構築に至る分子機構の解明を目指した:
  • はじめに、sgRNAのコンフォメーションおよびsgRNAとCas9の結合をモニターする1分子FRETアッセイ法を開発した。sgRNAをドナー蛍光体とアクセプター蛍光体で標識し、sgRNAが折り畳まれる際にFRET効率が変化するようにした。
  • Cas9の高分解能構造解析に用いたsgRNAに近いsgRNAは、Cas9を添加しない場合、2つの主要なFRET状態を示し、Cas9を加えることで、正しく組み立てられたRNPに起因する高いFRET状態へと分布が遷移した。Cas9がない場合でも、スーパーヘリカーゼに依存したsgRNAの転写方向への放出を使ってベクター状に折りたたむと、ほぼ高いFRET状態になった。
  • ベクターフォールディング中にCas9を添加すると、スロー・フォールディングの割合が大きく減少した。
 本研究は、sgRNAの不均一なフォールディングダイナミクスと、sgRNAのフォールディングにおける共転写フォールディングとCas9結合の影響に光を当てた。さらに、配列依存性の研究は、最適な機能を持つsgRNAの合理的な設計に役立つと考えられる。