[注] 触媒性ヘアピン集合体 [*](Catalytic Hairpin Assembly: CHA
[出典] "CRISPR/Cas13a Trans-Cleavage-Triggered Catalytic Hairpin Assembly Assay for Specific and Ultrasensitive SARS-CoV-2 RNA Detection" Yang Y [..] Ji X, Zheng Z, He Z. Anal Chem. 2022-12-26. https://doi.org/10.1021/acs.analchem.2c04306 [著者所属] Wuhan U,  Wuhan Institute of Virology, Wuhan Research Center for Infectious Diseases and Cancerグラフィカルアブストラクト 
 CRISPR/Cas13aは、標的を特異的に認識すると、そのコラテラル活性を介してヘアピン・レポーターを切断し、CHA反応を起動する。最適化された条件下でこのCas13a-CHAアッセイ(Cas-CHAと呼ぶ)によって、SARS-CoV-2 RNAの100 aMから100 nMの検出範囲とLoD 84 aMを達成した。また、全検出工程は35分以内に収まった。
 さらに重要なことは、このCas-CHAは、SARS-CoV-2 RNAと一般的なヒトコロナウイルスのRNAと識別し、また、唾液サンプルの直接分析に適用可能であった。また、crRNAを柔軟に設計することで、他のウイルスの検出に展開可能なことも実証した。
 
 [*] CHA利用CRISPRDx関連crisp_bio記事
[CHAのレビュー記事]
REVIEW "Applications of Catalytic Hairpin Assembly Reaction in Biosensing" Liu J, Zhang Y, Xie H, Zhao L, Zheng L, Ye H. Small 2019-09-16. https://doi.org/10.1002/smll.201902989 
 核酸は、遺伝情報伝達物質であると共に、カスケード信号増幅のためのプログラム可能な物質でもある。その中でも、酵素を用いない、高効率な等温増幅法である触媒性ヘアピン集合体(Catalytic Hairpin Assembly: CHA)は、その典型例である。
 CHA反応は通常、一本鎖の分析対象物によって開始され、基質のヘアピンが順次開裂されることで、熱力学的に安定な二重鎖が生成される反応である。CHA回路は2008年に初めて提案され、その分子機構の徹底的な研究を経て、分析性能が向上し、現在では数十種類もの系が存在する。
 CHA反応は、短時間のうちに、等温条件下で指数関数的な増幅を実現する。ある条件下では、CHA反応は600,000倍のシグナル増幅さえ実現する。
 CHAは、汎用性が高く、in vitroや生細胞内の様々なマーカーの分析に応用することが可能である。また、CHAはナノ材料や他の分子操作技術と統合されて、多様なリードアウトを提供可能である。
 本レビューでは、CHA の多様なメカニズム、ヘアピン設計、反応条件について詳細に紹介する。さらに、CHAを利用したバイオセンサーについても紹介する。最後に、CHA開発の課題と展望を考察する。