[出典] "Transcriptome changes of Apis mellifera female embryos with fem gene knockout by CRISPR/Cas9" Cheng FP [..] Wang ZL. Int J Biol Macromol. 2022-12-29. https://doi.org/10.1016/j.ijbiomac.2022.12.229 [著者所属] Honeybee Research Institute (Jiangxi Agricultural U)
 セイヨウミツバチの性別は、complementary sex determiner (csd ), feminizer (fem ), およびApis mellifera doublesex (Ardsx ) の遺伝子制御カスケードによって決定される。中国の研究チームは、セイヨウミツバチの胚発生の初期段階における性決定や文化分化に関与する他の遺伝子を特定することを目的として、二倍体セイヨウミツバチの胚において、CRISPR/Cas9によりfem 遺伝子をノックアウトし、それによって生じる遺伝子発現変化をRNA-seqにより解析し、最終的に、fem ノックアウトによる性転換を見出した。
  • 発現変動遺伝子(Differential Expressed Genes: DEG)として、対照群に対して変異体群で発現が上昇する46 遺伝子と、発現が下降する107 遺伝子の、計155個を同定した。
  • DEGsの多くが、性の発生や分化に関連していた。
  • また、セイヨウミツバチの主要な性決定遺伝子であるcsd, transformer-2 (tra2 ), fem , Amdsx を含む1,011個の遺伝子に関連する対照群と変異体群の間で変動する選択的スプライシングイベント(differentially expressed alternative splicing event: DEASE)1,502個が同定され、fem が多くの下流遺伝子の選択的スプライシングを制御していることが明らかになった。
 今回得られた結果は、ミツバチの性決定と分化の分子機構をさらに解明するための貴重な手がかりとなる。