2024-04-28 Nature Communications誌から査読済み論文として刊行されたのを受けて、書誌情報を更新し、テキストを一部改訂し、引用図を更新した。
2023-09-07 bioRxiv 投稿v.2に準拠してタイトルなど一部改訂:
2023-01-07 bioRxiv投稿v.1に準拠した初稿
[出典] "Efficient gene knockout and genetic interaction screening using the in4mer CRISPR/Cas12a multiplex knockout platform" Nat Commun. 2024-04-27. https://doi.org/10.1038/s41467-024-47795-3
"Efficient gene knockout and genetic interactions: the IN4MER CRISPR/Cas12a multiplex knockout platform Combined genome-scale fitness and paralog synthetic lethality screens with just 44k clones: the IN4MER CRISPR/Cas12a multiplex knockout platform" Anvar NE, Lin C, Ma X [..] Doench JG, Hart T. (bioRxiv 2023-01-03/09-05). [著者所属] U Texas MD Anderson Cancer Center, Broad Institute of MIT and Harvard.

 遺伝子の相互作用が、遺伝子型から表現型への展開を制御しているが、哺乳類細胞における多重遺伝子改変の初期技術は、効率が低く、スケールアップが困難であった。一方で、がん細胞における合成致死(Synthetic Lethal: SL)パラログペアが注目されており [*1]、これまでに、遺伝子ペアのノックアウトから合成致死遺伝子ペアを同定する試みが行われてきたが、これらの研究の質と一貫性を評価することは困難であることが分かっている。スクリーンショット 2024-04-28 8.23.23というのも、ヒットコールのためのテクノロジーやカスタム解析パイプラインはそれぞれ異なっており、各研究の対象となるパラログ対の重複は驚くほど少ないからである
[Fig. 1 A/B引用右図参照]

 研究チームは、CRISPR遺伝子相互作用スクリーニングのメタ解析を行い、バックグラウンドに依存しない合成致死パラログペアの候補を同定した。同時に、その同定には、CRISPR-Casシステムの中で、CRISPR/enCas12a [*2]をベースとするプラットフォームが優れた感度と再現性を提供することを示した。
 
 このプラットフォームによって、enCas12aが単一のガイド・アレイから最大4つの遺伝子を独立して標的可能なことを示し、1つのクローンに4つのガイド・アレイを発現させる1コンポーネント・ライブラリーからなるプラットフォームを構築し、IN4MERと名付けた。

 IN4MERでのゲノムスケールのヒト・ライブラリー (
Inzoliaと命名) は、
わずか49 k44 kクローンであり、スクリーンショット 2024-04-28 8.27.43典型的なCRISPR/Cas9単一遺伝子KOライブラリーのサイズよりもはるかに小さい (〜5分の1)、かつ、4,4352,000以上のパラログペア、三つ組、四つ組を標的可能である [Figure 3 A引用右図参照]。
 
 2種類の細胞株での概念実証スクリーンでは、最新のCRISPR/Cas9ライブラリーと同様にコア遺伝子と細胞株依存必須遺伝子を識別し、様々なファミリーサイズのパラログ間の合成致死およびマスキング/バッファリング (masking/buffering) *遺伝子相互作用を検出し、これまでのライブラリーにはない能力を実証した。
 
 IN4MERプラットフォームにより、遺伝的相互作用のアッセイに必要なクローン数を大きく減じ、これらの研究に必要なコストと労力を劇的に改善することが可能である。

 [*1]
 [*2]