[出典] "Cas12a2 elicits abortive infection through RNA-triggered destruction of dsDNA" Dmytrenko O [..] Begemann MB, Jackson RN, Beisel CL. Nature 2023-01-04. https://doi.org/10.1038/s41586-022-05559-3 [著者所属] Helmholtz Centre for Infection Research, Benson Hill, Utah State U, Syngenta, U Würzburg.
 バクテリアの不稔感染は、ウイルスが複製される前に感染した細胞を休止または死滅させることで、ウイルスから集団を保護する防御システムである。
 RNAを標的とするタイプIIIとタイプVIのCRISPR-Casシステムは、無差別なヌクレアーゼを活性化することにより、感染阻害を実現する。しかし、RNAを標的とするシングルエフェクター・ヌクレアーゼの無差別なDNase活性を利用したCRISPRによる感染阻害機構は、まだ報告されていない。
 独英の研究チームは今回、タイプV型 CRISPR-Casシステムのシングルエフェクター・ヌクレアーゼCas12a2によるRNA標的化が、二本鎖DNA(dsDNA)の非特異的切断を介して不稔感染を実現することを報告した。
 Cas12a2は、活性化するプロトスペーサー・フランキング配列を帯びた標的RNAを認識すると、一本鎖RNA(ssRNA)、一本鎖DNA(ssDNA)およびdsDNAを効率的に分解する特性を備えている。細胞内では、Cas12a2の活性化により、SOS DNA損傷応答が誘導され、増殖が阻害され、侵入者の拡散が防止される。
 研究チームはさらに、Cas12a2のコラテラル活性をベースにRNAの直接検出が可能なことを示し、Cas12a2がRNA誘導型RNA標的化ツールとして再利用できることを実証した。

 [Cas12a2 関連crisp_bio記事と論文]
  • [20230108更新] CRISPR-Cas12a2の非選択的なRNA/DNA切断活性は, 大規模な構造変化を介して解放される. https://crisp-bio.blog.jp/archives/29475242.html;"RNA targeting unleashes indiscriminate nuclease activity of CRISPR-Cas12a2" Bravo JPK, Hallmark T [..] Taylor DW. Nature 2023-01-04. https://doi.org/10.1038/s41586-022-05560-w
  •  [注] 2論文の著者の中で、Thomson Hallmark、Ryan N Jackson、ならびにChase Beiselが共通している