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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Enhanced production of D-pantothenic acid in Corynebacterium glutamicum      using an efficient CRISPR–Cpf1 genome editing method" Su R [..] Peng H, Chen N, Li Y. Microb Cell Fact 2023-01-06. https://doi.org/10.1186/s12934-023-02017-1 [著者所属] Tianjin U Science and Technology, Technical U Denmark.
 C. glutamicum はアミノ酸をはじめとする有用物質の微生物向上として利用されているが、まだまだ簡便で効率的なCRISPRゲノム編集法が必要とされている。現行のCRISPR精密ゲノム編集は主としてドナーDNAとゲノムの相同組み換え修復(HR)過程に依存しているが、リコンビナーゼを加えることで、編集効率が大幅に向上する。中国とデンマークの研究チームは今回、、Redαβγ、RecET、RecA、およびRecET-RecA などの異なるリコンビナーゼの HR 効率を比較した結果、RecETを選択し、さらに、カナマイシンをマーカーとして用いることで、ゲノム編集株の迅速なスクリーニングを可能にした。
 研究チームは、CRISPR-Cpf1のヌクレアーゼ活性が、ドナーDNAのRecET-HRを介したゲノムへの組込みを阻害することを発見したことから、C. glutamicum 用にRecombinAtion Prior to Induced Double-strand-break (RAPID) ゲノム編集技術 を開発した。
  • RAPIDは、高効率な遺伝子欠失および挿入を可能にし、特に遺伝子欠失には線状DNAテンプレートで十分であった。
  • RAPIDにより、D-パントテン酸(ビタミン B5)高収率生産株を構築し、グルコースのみから 18.62 g/L という高力価を達成した。
  • RAPIDは、手順の簡便さと反復操作性から、C. glutamicum の遺伝子操作に広く適用できる可能性がある。
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