[注] IFN-γ(インターフェロンγ)
[出典] "Base editing screens map mutations affecting interferon-γ signaling in cancer" Coelho MA [..] Garnett MJ. Cancer Cell. 2023-01-19. https://doi.org/10.1016/j.ccell.2022.12.009 [著者所属] Wellcome Sanger Institute, Netherland Cancer Institute, Oncode Institute, U de Lisboa, Open Targets, EMBL-EBI
 IFN-γシグナル伝達は、感染、炎症、抗腫瘍免疫に対する宿主の応答を媒介し、その伝達パスウエイにおける変異は、免疫不全、血液腫瘍、および腫瘍の免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint blokade: ICB)に対する抵抗性、を引き起こす。しかし、臨床的に観察される変異体の多くの機能が未知である。
 英国にオランダとポルトガルが加わった研究チームは今回、パスウエイ・ワイドのCRISPR-Cas9スクリーニングを用いて、大腸腺がん(CRC)におけるIFN-γに対する感受性および耐性のメディエーターを同定し、Cancer Cell FIg 1シチジンとアデニンの塩基エディター(CBEとABE)を用いて、スクリーニング結果のトップスコア遺伝子の突然変異を誘発することで、がんなどの疾患と関連するVUS(Variant of Uncertain Significance)も含めてIFN-γシグナル伝達パスウエイの活性を調節する機能喪失(LOF)および機能獲得(GOF)変異体を系統的にマッピングした [Figure 1引用右図 A 参照]。
 その中で、HT-29細胞株において、JAK1 遺伝子に対してBE3-NGG、BE3.9max-NGN、YE1-BE4max-NGN、およびABE8e-NGNを利用して網羅的な変異誘発実験を行い、血液腫瘍の原因変異やICB難治性患者で検出される変異を含むLOFとGOFの変異を明らかにし、JAK1  のミスセンス変異が自家腫瘍反応性T細胞に対する感受性を増加または減少させることを、原発腫瘍オルガノイドで機能的に検証した。BE-view
 本研究において、IFN-γシグナル伝達の活性を変化させる300種類を超えるミスセンス変異を推定し、遺伝子変異の機能を理解するための貴重な情報資源が得られ、その成果をBE-viewとしてwww.sanger.ac.uk/tool/be-viewから公開した [右図は、Webサイトトップページの画面キャプチャー]。