[出典] "Phenylboronic Acid-Functionalized Polyplexes Tailored to Oral CRISPR Delivery" Yoshinaga N [..] Lao Y-H, Long KW. Nano Lett. 2023-01-17. https://doi.org/10.1021/acs.nanolett.2c02306 [著者所属] Columbia U, Columbia U Medical Center, New York U College of Dentistry, The State University of New York (Buffalo).グラフィカルアブストラクト 
 CRISPR-Cas9の構成要素を効果的にデリバリーすることは、CRISPR療法の可能性を実現するために極めて重要である。この応用のために多くのデリバリー法が開発されてきたが、消化管における分解の課題のために、経口デリバリーはこれまで検討されてこなかった。
 米国の研究チームは今回、CRISPRシステムの経口デリバリーを目指して、フェニルボロン酸(PBA)官能化キトサン-ポリエチレンイミン(chitosan-polyethyleniminec: CS-PEI)ポリマーのシリーズを開発した。
  • PBA官能基化により、ポリプレックスはより高い安定性、粘液を介した円滑な輸送、効率的なエンドソーム脱出と細胞質へのアンパッケージングを獲得した。
  • 12種類のPBA官能基化CS-PEIポリプレックスからなるライブラリーの中から、マウス経口投与で最も効果的に腸管粘膜に浸透する製剤を同定した。
  • この最適化された製剤は、CRISPRを介した標的タンパク質のダウンレギュレーションと下流のコレステロールの減少を実現した。
 今回開発した初の経口CRISPRキャリアは、局所的な編集と全身的な編集の両方のニーズに、患者に応じた方法で対応できる可能性を示唆した。