2024-02-22 フリードライヒ失調症iPSC由来神経細胞における小胞体-ミトコンドリア間の接触と小胞体ストレス応答 (UPR) をCRISPR-Cas9遺伝子編集で改善
[出典] "Gene editing improves endoplasmic reticulum-mitochondrial contacts and unfolded protein response in Friedreich’s ataxia iPSC-derived neurons" Mishra P, Sivakumar A [..] Coufal N, Cherqui S. Front Pharmacol. 2024-02-14. https://doi.org/10.3389/fphar.2024.1323491 [所属] UCSD, Sanford Consortium for Regenerative Medicine
 FRDAUCSDのStephanie Cherquiが率いる研究チームは先行研究で、FRDA患者由来CD34陽性HSPCsのGAAリピートをCRISPR/Cas9により削除した自家幹細胞移植によるでFRDA治療可能性を報告していたが、今回、FRDA患者由来iPS細胞において、CRISPR-Cas9を介したGAAリピートの削除が、ミトコンドリア欠損とアポトーシス表現型を救済することを、報告した [小胞体とミトコンドリア間の接触に関して, FIGURE 6引用右図参照]。

2023-02-01 
Molecular Therapy - Methods & Clinical Development誌刊行論文に準拠した初稿
[出典] "CRISPR-Cas9 Gene Editing of Hematopoietic Stem Cells from Patients with Friedreich’s Ataxia" Rocca CJ [..] Cherqui S. Mol Ther Methods Clin Dev 2020-05-03. https://doi.org/10.1016/j.omtm.2020.04.018 [著者所属] UCSD.:
グラフィカルアブストラクト 
 フリードライヒ失調症(FRDA)は、フラタキシン(frataxin: FXN)遺伝子のイントロン1におけるGAA反復配列の拡大により、ミトコンドリアの鉄結合タンパク質であるfrataxinの発現が著しく低下する常染色体潜性遺伝性の神経変性疾患である。FRDA患者は、44~1,700リピートを帯びているとされている。
 UCSDの研究チームは先行研究で、FRDAモデルマウスYG8Rにおいて、造血幹・前駆細胞(HSPC)移植が神経変性を抑制することを報告した [Sci Transl Med, 2017]。その際、HSPC由来のミクログリア/マクロファージ細胞から神経細胞/筋細胞への機能性frataxinの移行が、その機構であることを明らかにした。
 本研究では、FRDAに対するCRISPR-Cas9システムを用いた自家HSPC移植の第一段階を報告する。まず、標的のGAA反復配列を効果的に除去する一対のガイドRNAを同定した上で、1組のCas9-gRNAをRNPとして送達することで、ヒトFRDA患者由来のCD34陽性HSPCのGAA拡大を効率的に除去し、フラタキシンの発現を非病理レベルまでに回復させ、ミトコンドリア活性を正常化することに、成功した。また、健常人とFRDA患者の末梢血から分離したHSPCを用いた遺伝子編集法を最適化し、in vitro  およびin vivo で遺伝子編集細胞の正常な造血を実証した。
 今回開発した手法は、細胞毒性効果や主要なオフターゲット編集を誘発しなかったが、p53を介した細胞増殖の遅延が遺伝子編集細胞で観察された。
 本研究は、FRDAに対する遺伝子を補正したHSPCの自家移植の臨床応用に向けた基盤を提供するものである。
[注] 本研究は2022年末に、California's Stem Cell AgencyからUS$4,846,579の資金を獲得している [Grant Number TRAN1-13983]

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