crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] 精密な遺伝子編集(Precise Genome Editing: PGE)
[出典] REVIEW "New advances in CRISPR/Cas-mediated precise gene-editing techniques" Richardson C, Kelsh RN, Richardson RJ. Dis Model Mech. 2023-02-27. https://doi.org/10.1242/dmm.049874 [著者所属] U Bristol, U Bath.
 過去10年間で、CRISPR/Casベースの遺伝子編集は、大腸菌からゼブラフィッシュ、げっ歯類、大型哺乳類まで、さまざまなモデル生物に突然変異を発生させる強力なツールとなった。CRISPR/Casベースの遺伝子編集では、DNA二本鎖切断からの修復過程を介して挿入・欠失(インデル)を効果的に生成し、迅速な遺伝子破壊を可能にする。しかし、ヒトの遺伝性疾患の多くは、1塩基対の置換によって引き起こされ、その結果、タンパク質の機能がより微妙に変化するため、モデル系で再現するには、より複雑で精密な編集が必要となる。PGE Fig. 1しかし、PGEは、通常、特異性の低いインデルを生成する方法の10分の1以下の効率しかないため、PGE効率を向上させるために多くの努力が払われてきた [Fig. 1 引用右図参照]。このような最適化には、最適なガイドRNAと、目的とする変異を帯びたドナーDNAテンプレートの設計、PGE Fig. 2Casによる切断から編集が生じる仕組みを支えるDNA修復経路の調整 [Fig. 2引用左図参照]、代替メカニズムで編集を導入するCas9融合タンパク質の開発などがある。
 本総説では、PGEの最適化における最近の進歩の概要と、ヒトの遺伝性疾患のモデル作製におけるその可能性を紹介する。


[構成]
 はじめに
  Box 1. 生体内PGEによる疾患モデル作製
 CRISPR/CasシステムによるPGE
 主要なDSB修復タンパク質を操作して修復経路の選択を調節する
 低分子によるPGEの調節
 細胞周期の停止とDSB分解のタイミングの最適化
 gRNA設計の重要性
 ドナー配列の合理的設計と限界
 その他のDSB分解の調節を介したPGEの最適化アプローチ
 BEとPE: 次世代PGE
 結論
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット