[出典] "Targeting CD43 optimizes cancer immunotherapy through reinvigorating antitumor immune response in colorectal cancer" Li Yy [..] Yi W, Chen J. Cell Oncol 2023-03-15. https://doi.org/10.1007/s13402-023-00794-w [著者所属] Sun Yat- sen U, Guangzhou Medical U.
 中国の研究チームが、公開データの解析からCD43の発現とCRC患者の予後との相関を明らかにし、CRISPR-Cas9技術によるCD43ノックアウト(KO)CRC細胞株と、同系統のマウスCRCモデルを確立し、 in vitroおよびin vivo でのCD43の機能解析を行なった。腫瘍免疫微小環境 (tumor immune microenvironment: TIME )については、免疫組織化学染色、フローサイトメトリー、RNA-seqにより解析した。
  • CD43の高発現がCRC患者の生存率の低さ、およびヒトCRC組織におけるCD8+ T細胞の限定的な浸潤と相関することを見いだした。
  • 重要なことは、宿主細胞ではなく、腫瘍細胞に発現したCD43が、同種腫瘍モデルにおいて腫瘍の進行を促進したことである。
  • CD43の腫瘍誘発性 (protumor) はT細胞に依存し、それによってT細胞介在性細胞傷害とcDC1介在性抗原特異的T細胞活性化を減衰させる。
  • CD43の欠損は、CRC腫瘍のTIMEにおける免疫細胞の浸潤と免疫学的記憶を促進し、 CD43を標的とすることで、CRCに対するPD-L1遮断免疫療法が相乗的に改善される。