[出典] [論文] "Oxytocin receptor is not required for social attachment in prairie voles" Berendzen KM, Sharma R, Mandujano MA, Wei Y [..] Shah NM, Manoli DS. Neuron. 2023-03-15. https://doi.org/10.1016/j.neuron.2022.12.011 [著者所属] UCSF, UC Davis, UC Berkeley, Stanford U.;グラフィカルアブストラクト;PREVIEWS "A CRISPR perspective of the oxytocin receptor in prairie voles" Rajamani KT, Harony-Nicolas H. Neuron. 2023-03-15. https://doi.org/10.1016/j.neuron.2023.02.011 [著者所属] Icahn School of Medicine at Mount Sinai
プレーリーハタネズミは、哺乳類の中でも、交尾相手との間に長期的なソーシャル・アタッチメントを示す小さなグループの一つである。多くの薬理学的研究から、オキシトシン受容体(Oxtr)を介したシグナル伝達が、これらの動物の社会的一夫一婦制の発現に重要であることが示されてきた。
著者らは今回、CRISPR変異導入法を用いて、3種類のOxtrヌル変異プレーリーハタネズミ系統を作製した。Oxtr変異体は、異なる実験セットアップでアッセイした場合でも、オスとメスが異性の見知らぬ人よりも交尾相手を好むという行動を示すなど、ソーシャルあった地面とを示すことがわかった。Oxtrを欠く母親は生存可能な仔を出産し、両親は仔を大切にし、離乳期まで育てることができた。これらの研究により、プレーリーハタネズミではOxtrシグナルがなくてもソーシャルアタッチメント、分娩、親としての行動が可能であることが、予想外にも、明らかになった。
[ハイライト]
- オキシトシン受容体(Oxtr)欠損のプレーリーハタネズミ系統を、CRISPRターゲッティングにより樹立した。
- Oxtr-</->ハタネズミはペアボンドやソーシャルアタッチメントを形成する。
- Oxtr<-/->のハタネズミは親らしい行動を見せる。
- Oxtr<-/->の雌は、多くの仔を離乳まで看病する。
コメント