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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[注] SpCas9-NGは、SpCas9への合理的な変異導入によって作出されたNGをPAMとして認識するエフェクター [crisp_bio 2018-08-31
[出典] "PAM-flexible Cas9-mediated base editing of a hemophilia B mutation in induced pluripotent stem cells" Hiramoto T (平本貴史) [..] Ohmori T (大森 司). Commun Med (Lond) 2023-04-19. https://doi.org/10.1038/s43856-023-00286-w[著者所属] 自治医科大, 東京医大, 東大.
 研究チームは、血友病B ( (c.947T>C; I316T) 患者からiPS細胞を樹立し、また、患者のF9  cDNAを発現するHEK293細胞とノックインマウスをそれぞれプラスミド・トランスフェクションとAAVベクターを介した作出し、野生型SpCas9と改変型SpCas9-NGのニッカーゼをベースとする塩基エディターCBE (C-to-T) による変異修復を試みた。
 その結果、改変型Cas9-NGによって、野生型Cas9では不可能であった変異の修正に成功した。変異を修正したiPS細胞はin vitro で肝細胞様細胞へと分化し、免疫不全マウスに腎被膜下移植法後に、F9 mRNAの発現レベルが、治療効果のあるレベルにまで達した。
 また、SpCas9-NGをベースとするCBEによって、HEK293細胞においてもノックインマウスにおいても、目的とする変異修正が進行し、凝縮因子の生産も回復した。
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