[出典] REVIEW "RNA-Cleaving DNAzyme-based Amplification Strategies for Biosensing and Therapy" Su J, Sun C, Du J, Xing X, Wang F, Dong H. Adv Health Mater. 2024-04-21. https://doi.org/10.1002/adhm.202300367 [著者所属] U Science & Technology Beijing, Shenzhen U, Guangdong Laboratory of Artificial Intelligence and Digital Economy (SZ)
DNA酵素は1994年に発見されて以来、高い安定性、シンプルな合成、および高感度な特長を備え、標的を認識してシグナルへと変換する因子として、バイオセンシングと治療に広く利用されきた。本レビューは、主として、DNA酵素のなかでもRNAを切断するサブセットによるスケールアップしたバイオセンシングによる増幅戦略に焦点を当て、また、その診断と治療への応用にも触れ、DNA酵素をベースとするバイオセンサーの現状、課題、および将来を論じる。
RNA切断DNA酵素による増幅には、新たに設計された一本鎖のDNA酵素をベースとする"direct response amplification strategies"と、スプリットしたDNA酵素、カスケード反応、CHA/HCR/RCA, DNAウオーカー、CRISPR-Cas12aとアプタマーを組み合わせる戦略"combinational response amplification strategies"の2種類が実現している。
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