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[注] シグレック (シアル酸結合免疫グロブリン-タイプレクチン/Sialic acid-binding immunoglobulin-type lectins (siglec))
[出典] "MYC-driven synthesis of Siglec ligands is a glycoimmune checkpoint" Smith BAH [..] Bertozzi CR. PNAS 2023-03-14. https://doi.org/10.1073/pnas.2215376120
 [著者所属] Stanford U, Stanford U School of Medicine, U British Columbia, UCSF, Beckman Research Institute of City of Hope, U Iowas
 MYCは癌においてしばしば異常発現している転写因子であり、MYCをコードする遺伝子は細胞増殖を促進する一連の遺伝子の発現を活性化する癌遺伝子としてよく知られている。著者らは今回、MYCが腫瘍細胞表面において、シアリルトランスフェラーゼ遺伝子 St6galnac4 の発現制御を介して、糖鎖の一種であるdisialyl-Tの発現を亢進することを発見した。
  続いて、マウスモデル生体内と初代ヒト白血病細胞株において、disialyl-T がそれぞれ、マクロファージ細胞表面のSinglec-EとSIglec-7を介して、"don't eat me"シグナルとして機能することを同定した
 さらに、癌患者細胞において、MYCとST6GALNAC4の双方が高発現し、骨髄系細胞の浸潤が抑制されていることを同定した。
 以上から、disialyl-Tが糖鎖免疫チェックポイントのリガンドであり、disialyl-Tが抗体をベースとする免疫チェックポイント阻害剤の、disialyl-T合成酵素ST6GALNAC4が低分子免疫療法の、標的候補であることが明らかになった。
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