[注] Nothobranchius furzeri (N. Furieri /ターコイズメダカ)
[出典] "Generation of a transparent killifish line through multiplex CRISPR/Cas9mediated gene inactivation" Krug J, Lerner B, Albertz C, Mörl H, Hopfenmüller VL, Englert C. eLife 2023-02-23. https://doi.org/10.7554/eLife.81549 [著者所属] Leibniz Institute on Aging - Fritz Lipmann Institute, Institute of Biochemistry and Biophysics (Friedrich-Schiller-U)
N. furzeriは、短寿命であるが、テロメアの短縮、老化細胞の蓄積、再生能の欠損といった哺乳類の老化の兆候を示す。ドイツの研究チームは今回、老化研究のモデルとして利用が広がってきたN. furzeri の透明な幼体および成体の作出に成功した。
- メラノフォア (黒色素胞)、イリドフォア (虹色素胞)、キサントフォア (黄色素胞)の色素形成にそれぞれ関与するmitfa、ltk、csf1ra を標的とする3種類のsgRNAを1回で送達する。
- この多重化により、3種類の遺伝子座の同時かつ両アレイノックアウトを高効率で達成した。
- 透明化はすでにF0世代において一部の個体で実現した。
- ホモ接合体三重変異体は、正常な行動、生殖能力、一般的な健康状態を示した。
- 透明化系統の一つ (klaraと命名) を利用して、さらなる遺伝子の改変、雌雄の交尾選択の研究、および、老化の生体内レポーターの作製に成功した。
- 老化レポーターは、Cas9が誘導するDSBからの相同性指向性修復 (HDR) 過程を利用して、のマーカー遺伝子座とされているcdkn1a (p21) 遺伝子座にGFP アレルを組み込むことで実現し、生体内顕微鏡を利用して観察可能な確認した。
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