2024-02-01 原著論文を取り上げたNature Biotechnology 誌のNews & Views記事の書誌情報を追記
[出典] News & Views "An optimized toolkit for prime editing" Marks RM, Scott O, Ivakine EA, Cohn RD. Nat Biotechnol. 2024-01-29.
https://doi.org/10.1038/s41587-023-02091-1 [所属] U Toronto, The Hospital for Sick Children;参考FIg. 1 Co-delivery of dual v3em PE-AAV. https://www.nature.com/articles/s41587-023-02091-1/figures/1

2023-05-13 Nature Biotechnology 論文に準拠した初稿
[出典] "Efficient prime editing in mouse brain, liver and heart with dual AAVs" Davis JR, Banskota S [..] Liu DR. Nat Biotechnol. 2023-05-04.
https://doi.org/10.1038/s41587-023-01758-z [著者所属] Broad Institute of MIT and Harvard, Harvard U, Perelman School of Medicine at UPenn.

 PEが遺伝子疾患の研究と治療のツールとして実用化するには、PEを生体内の目的とする組織へ安全かつ効率的にデリバリーする技術が必要である。David R Liuが率いる研究チームは今回、AAVを介したPEによる生体内編集効率の向上には、プロモーターの選択とPEの発現の最適化が必要なことを同定した。その上で、これまでのPE最適化のアプローチを活かしたPEの発現向上、pegRNAの安定性向上、および、DNA修復過程の制御を組み込んだAAV-PEベクターを開発することで生体内PEの編集効率を実現した。

 インテインを利用して二分割したPEをデュアルAAVsでデリバリーするPE-AAVシステムの中で、v1em PE-AAVとv3em PE-AAVが臨床的に有意な編集効率を実現した。すなわち、脳皮質、肝臓、および心臓において、それぞれ、最大42%、46%、および11%の編集効率に達した (これまでの二分割PEによる肝臓と網膜における編集効率は、1.7 - 13.5%にとどまっていた)。

 さらに、これらの高効率システムを利用して、アルツハイマー病から保護する可能性がある変異 (APOE3 R136S) )をアストロサイトに誘導し、虚血性心疾患から保護する可能性がある変異 (PCSK9 Q152H; マウスではPcsk9 Q155H)を肝細胞に誘導した。v3em PE-AAVによる編集では、オフターゲット編集も、肝臓における酵素や組織への影響も、見られなかった。