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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "Transient Delivery of Epigenome Editors Stably Represses PCSK9 and Lowers LDL Cholesterol in Non-Human Primates" Kwon JB et al. 26th Annual Meeting  of ASGCT. 2023-05-19. https://annualmeeting.asgct.org/abstracts/abstract-details?abstractId=15223 [著者所属] Tune Therapeutics, Duke U.
 UC BerkeleyのFyodor UrnovとDuke UのCharles Gersbachが共同設立者に名を連ねるTune Therapeuticsが、第26回ASGCTにて、LDLコレステロールを抑制するエピゲノムエディター (epi-editor) の成果を口頭発表した。はじめに、ヒト肝細胞に送達したepi-editorが、1回投与後6ヶ月間にわたり安定して標的部位におけるメチル化とPCSK9の発現抑制を維持することを確認した。次に、カニクイザルに由来する初代肝細胞において、単回投与後、初代肝細胞培養の限界である14日後に、PCSK9 mRNAの発現が93%低下し、タンパク質発現が検出されなくなることを見出した。
 さらに、3頭のカニクイザルにPCSK9のプロモーターを標的とするepi-repressorを、別の2頭にコントロールとしてポリブチレンサクシネート (PBS) を、最適化したLNPを介して静脈注射した。LNP投与によってALTとASTのレベルが一時的に上昇したが1〜2週間で正常レベルに復し、それ以外の病理症状は見られなかった。一方で、LNP投与後3日以内に、血清中のPCSK9レベルが急激に低下し、9週間にわたって~80%の低下が維持され、また、LDL-Cが安定して~50%減少した。肝臓のバイオプシーサンプルを対象とするガイドRNAの標的部位周囲のDNAメチル化解析から、PBSコントロール投与ではCpGメチル化が~1%にとどまっていたところ、epi-repressor投与では68%まで進行することを見出した。また、メチル化は標的部位から~2.6 kbの範囲に限定されていることも見出した。
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