4,483種類/41サブグループのCas9オーソログを発見し、キメラCas9によるPAM改変も実現
[出典] "Novel and Engineered Type II CRISPR Systems from Uncultivated Microbes with Broad Genome Editing Capability" Alexander LM [..] Brown CT. CRISPR J. 2023-06-01.
https://doi.org/10.1089/crispr.2022.0090 [著者所属] Metagenomi Inc, Bayer AG
 CRISPR-Cas9は、CRISPR-Casシステムに中でバイオテクノロジーや治療薬に最も広く利用されているが、現在知られているシステムでは、大きなサイズ、標的可能領域の制限、および潜在的なオフターゲット効果のために、応用範囲が限定されている。
 2023-06-13 5.20.29Metagenomi Incを中心とする研究チームは今回、数十万個の微生物ゲノムにわたるメタゲノム・データベースからデータマイニングを介して、4,483種類のCRISPRタイプIIエフェクターを同定し、系統解析から41種類のCas9サブグループへと分類した[Fig.1 引用右図参照]
 
41サブグループから136種類の活性とPAM配列をin vitro で検証し、96種類が活性を示すことを確認した。その中で、13種類について大腸菌におけるDNA切断活性を測定し、9種類が活性を示すことを確認した。また、21種類についてHEK293T細胞での活性を評価し17種類は活性が低いが、いずれも活性を示すことを確認した。さらに、そのうち6種類のCas9s [*]を精製しRNPでのゲノム編集を検証した。
[*] 
最も高活性なMG3-6とMG3-8と、中程度または低活性な7-1. 3-7, 14-1および1-4。
  遺伝子編集活性を示した一連のシステムにおいて、タンパク質配列とガイドRNAの構造は広範な多様性を示し、また、PAM配列も多様で標的可能領域を広げた。いくつかのヌクレアーゼは、サイズが小さいにもかかわらず、SpCas9に匹敵する、あるいは有意に高い活性を示し、かつ、哺乳類細胞におけるオフターゲット編集活性のレベルが低かった。
 これまでに、Cas9エフェクターの活性をキメラ化よって制御可能なことが示されていた。例えば、 2023-06-13 5.49.41Nme1Cas9のPAM特異性は、そのPAM相互作用ドメイン(PID)を近縁のオーソロルグのPIDと交換することで変更可能なことが示された。本研究では、遠縁のサブグループに属するエフェクターの間でも、同一サブグループ間の近縁のエフェクターの間でも、PIDをスワップすることで、PAMを改変し標的可能領域を拡張可能 [FIG.5 引用右図参照] なことも、示した。 

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