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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[注] レジストーム (resistome) : 分析対象とした生物や環境などにおける全ての薬剤耐性遺伝子 (antibiotic resistance genes: AGRs) 
[出典] "Uncovering the virome and its interaction with antibiotic resistome during compost fertilization" Zhang Q [..] Gao Q, Yang Y. J Hazard Mater. 2023-06-02. https://doi.org/10.1016/j.jhazmat.2023.131763 [著者所属] China-Japan Friendship Hospital, Center for professional training and service (China Association for Science and Technology), Tsinghua University,  Harbin Institute of Technology, Shanghai Jiao Tong University, Institute of Chemical Defense (Beijing);グラフィカルアブストラクト
 薬剤耐性遺伝子の環境中への拡散が世界的な健康被害の一因となっている。中国の研究チームは今回、ハイスループット機能遺伝子マイクロアレイGeoChip 5.0 (mSystems , 2019 )を利用して、 豚糞尿, コンポスト, コンポストを施した (施用) 農地, および施していない (未施用) 北京郊外の土壌におけるバクテリオファージと真核生物ウイルスの遺伝子の広がりと相対量を分析した。
  • 堆肥施用農地では、未施用の土壌と比較してバイオマーカーのウイルス遺伝子が有意に増加しており、堆肥施用に伴う健康リスクの可能性が示唆された。
  • 土壌よりも豚糞尿や堆肥の方が、ARGとウイルス遺伝子の間の生態学的相互作用が強いことが確認された。
     ネットワーク解析の結果、CRISPRをコードする配列にリンクされたアラビノース排出ペルミアーゼとEmrB/QacA耐性遺伝子がハブとして特定され、ウイルス感染によるARG取得の可能性を示唆された。
  • 糞尿、堆肥、堆肥施用土壌のウイルス遺伝子、抗生物質濃度、ARG多様性の間に正の相関が見られ、ウイルスを介したARGの伝播経路の可能性が示唆されました。
 肥料として堆肥を利用すると、ウイルスを介したARGsの拡散が促進され、バクテリアゲノムを介した拡散よりも広い時間的・空間的スケールで時間遅れのある遺伝子交換が進行することが示された。
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