- タイプIV-A3は薬剤耐性因子を帯びたプラスミドを分解する機能も発揮する
[出典] "Type IV-A3 CRISPR-Cas systems drive inter-plasmid conflicts by acquiring spacers in trans " Benz F, Camara-Wilpert S [...] Sørensen SJ, Pinilla-Redondo R. bioRxiv 2023-06-23 (preprint) https://doi.org/10.1101/2023.06.23.546257 [著者所属] Institut Pasteur, U Copenhagen, ETH Zurich, Helmholtz Institute for RNA-based Infection Research (HIRI), Vilnius U,  Philipps Universität Marburg, U Basel, U Hospital Basel, McGill U, U Zurich, SYNMIKRO (Marburg), U  Würzburg.
 
 IV-A 1タイプIV-A CRISPR-Casシステムは、主として、プラスミドにコードされており、マルチサブユニットのRNP複合体を形成しているが、その生物機能は不明であり、他のCRISPR-Casシステムに見られる典型的なスペーサー獲得モジュール (Cas1-Cas2) を欠失している一方で、DinGヘリカーゼを帯びている [Figure 1引用右図参照]。また、そのCRISPRアレイに記録されているスペーサーは、プラスミド間の競合の存在を示唆しているが、その分子機構は不明であった。

 タイプIV-A3システムは、しばしば薬剤耐性遺伝子 (Antibiotic Resistance Genes: ARGs) をIV-A 2複数帯びている大型の接合性プラスミドに、コードされており、日和見感染症を引き起こす病原菌Klebsiella pneumoniae に広がっていることが知られている。フランス、デンマーク、スイス、ドイツ、リトアニア、カナダ (兼任) の研究チームは今回、プラスミドにコードされているタイプIV-A3 CRISPR-Casシステムが、宿主の臨床関連菌 K. pneumoniae のタイプI-E CRISPR-Casシステムの適応 (adaptation) 機構 (Cas1/2e) を利用して、スペーサを獲得していることを明らかにした [Figure 2 - A 引用右図参照]。
 
 次いで、接合性プラスミドとファージに対するロバストな干渉機能を、CRISPR-RNA (crRNA) にガイドされる転写抑制を介して、発揮することを明らかにした。このプラスミドのコアな機能を標的とすることで、タイプIV-A3は、外来プラスミドの取り込みを防止し、水平移動を制限し、共存しているプラスミドを分解する。IV-A 4ひいては、タイプIV-A3を介して、薬剤耐性菌の抗生物質に対する感受性を復活させることも可能である[Figure 4 - D 引用左図参照]。
 タイプIV-A3システムの機能と機構に関して今回得られた知見は、プラスミドを介した薬剤耐性因子と毒性因子の伝播と阻害を含む適応機構の研究に資するものであった。

[タイプIV-A CRISPR-Casシステム関連crisp_bio記事]