[注] 大腸胃癌 (colorectal cancer: CRC)
[出典] "Revealing and harnessing CD39 for the treatment of colorectal cancer and liver metastases by engineered T cells" Potenza A, Balestrieri C, Spiga M, Albarello L, Pedica F [..] Ruggiero E, Bonini C. Gut 2023-06-30. https://doi.org/10.1136/gutjnl-2022-328042 [著者所属] IRCCS San Raffaele Scientific Institute, Vita-Salute San Raffaele U.
 
 イタリアの研究チームが今回、高次元フローサイトメトリー, RNA-seqおよび免疫組織染色を組み合わせて、原発性CRCと転移性CRC (肝転移) を発症している癌患者の正常組織と癌組織におけるT細胞の機能フェノタイプを比較した結果をベースにして、CRC特異的CAR-T細胞を作出した。
  • T細胞が主に癌組織の前縁部に局在すること、および、腫瘍浸潤T細胞が複数の抑制性レセプターを共発現しているが、それらは原発巣と転移巣で大きく異なること、を見出した。
  • 一方で、原発性CRCと転移性CRCの双方において、CD39がT細胞疲弊の主要なドライバーであった。
  • 研究チームは、HER-2を標的とする新規T細胞受容体 (TCR)を利用してT細胞の特異性をリダイレクトすると同時に、CRISPR-Cas9を利用して内因性TCR遺伝子 (TCR<ED>) とCD39をコードする遺伝子 (ENTPD1) をノックアウト (KO) することで、スクリーンショット 2023-07-14 6.58.44TCT <ED>ENTPDF1<KO>HER-2標的リンパ球を作出した。
  • CD39のKOによってHER-2特異的T細胞が、in vitro およびin vivo において、HER-2陽性患者由来オルガノイドを排除する性能が向上することを確認した。