crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "Plasma proteome of Long-COVID patients indicates HIF-mediated vasculo-proliferative disease with impact on brain and heart function" Iosef C [..] Fraser DD. J Transl Med. 2023-06-10. https://doi.org/10.1186/s12967-023-04149-9 [著者所属] Children's Health Research Institute (Canada), Western U (Canada), Lawson Health Research Institute (Canada), Wayne State U (USA), Advaita Bioinformatics (USA), National Science Foundation.

 SARS-CoV-2感染後の多様でまた長期間継続するロングCOVIDの機構解明を目指して著者らは、ロングCOVID患者、COVID急性期患者 (中等症と重症) および対照群としての健常者の血漿プロテオームを比較解析した。
  • Proximity Extension Assay法を利用して、3,072種類のタンパク質マーカーの発現を測定し、in silicoで細胞型、シグナル伝達機構、および器官の特異性を探った。
  • 年齢と性別をマッチさせた急性COVID-19入院患者および健常対照被験者と異なり、ロングCOVID外来患者では、静止型のNK細胞と好中球細胞外トラップが認められた。
  • このような細胞の表現型の改変は、アンジオポエチン-1 (ANGPT1) と血管内皮増殖因子-A (VEGFA) の双方によって媒介される特徴的な血管事象に反映された。
  • いくつかのマーカー(ANGPT1、VEGFA、CCR7、CD56、シトルリン化ヒストンH3、エラスターゼ)は、他のコホートにおいて血清学的方法で検証された。
  • トランスフォーミング増殖因子β1のシグナル伝達とEP/p300の上昇との関連から、血管の炎症と腫瘍壊死因子αが駆動する経路が示唆された。
  • さらに、低酸素誘導因子1経路と関連した血管の増殖状態が、急性COVID-19からロングCOVIDへの進行を示唆した。
  • ロングCOVIDで予測される血管増殖過程は、神経および心代謝機能障害を反映する臓器特異的プロテオームの変化に寄与している可能性がある。
 本研究の結果からロングCOVIDにおける血管増殖のプロセスは、先行する局所的または全身の低酸素状態そしてまたは刺激因子 (サイトカイン、ケモカイン、成長因子、アンジオテンシンなど) によって起動されると考えられる。また、本研究から、臓器特異的な予後バイオマーカーや治療標的の候補が明らかにされた。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット