[出典] "Engineering activatable promoters for scalable and multi-input CRISPRa/i circuits" Burbano DA, Cardiff RAL [..] Carothers JM. PNAS 2023-07-18. https://doi.org/10.1073/pnas.2220358120 [著者所属] U Washington (Seattle)
 
 動的で多入力の遺伝子制御ネットワーク (gene regulatory networks: GRN) は自然界に偏在している。無細胞系 (cell free system: CFS) で動作するCRISPRをベースとする多層な遺伝子回路は、自然界に存在するGRNを再現または模倣する可能性を秘めている。ワシントン大学の研究チームはは、CRISPRaとCRISPRiのGRNを深く、広く、多入力に組み立てることができる活性化可能な高性能なプロモーターを作成するためのアプローチを開発した。
  • 配列ベースの設計とin vivoスクリーニングを統合することにより、大腸菌ベースのCFSで、低い基底発現レベルと高い活性化発現レベルをカバーする最大1,000倍のダイナミックレンジを達成する活性化可能なプロモーターを作出した [Fig. 1参照]。
  • これらの構成要素は、6層のディープカスケードや、4分岐の並列回路など、これまでのCFSでは実現できなかった複雑なネットワークトポロジーを実現した。
  • 活性化可能なプロモーターを設計することで、様々な入力をCRISPRa/i CFS回路に組み込めるようになり、さらに、高ダイナミックレンジのプロモーターは、小分子やタンパク質-タンパク質相互作用によって媒介されるCRISPRaシステムを可能にした。
  • 青色光応答性転写活性化因子と3つの異なるタンパク質間相互作用 (PPI)依存性CRISPRa系が回路入力として機能することを実証した。
  • 多層活性化カスケード、ポジティブフィードバックループ、AND様論理ゲート、動的2入力パルスモジュレーターとして動作する入力応答性CRISPRa/i回路の設計に成功した。
 この研究は、活性化可能なプロモーターを設計するためのワークフローを確立し、CRISPRa/i回路を実装するためにすぐに役立つ汎用性の高いコンポーネントのツールボックスを提供する。これらの開発により、CFSで大規模な多入力GRNを組み立てる能力が飛躍的に向上した。