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[出典] "Dissecting neuron-specific functions of circadian genes using modified cell-specific CRISPR approaches" Richhariya S, Shin D, Le JQ, Rosbash M. PNAS 2023-07-10/07-18.https://doi.org/10.1073/pnas.2303779120 [著者所属] HHMI, Brandeis University.

 ショウジョウバエの概日行動リズムは、約75対の脳神経細胞によって制御されている。これらのニューロンはすべて中核的な時計遺伝子を発現しているが、それぞれ異なる機能と遺伝子発現プロファイルを持っている。これらの異なる分子プログラムの重要性を理解するためには、ニューロン特異的な遺伝子操作が不可欠である。

 細胞特異的に遺伝子発現を操作するには、これまではRNAiに基づく方法が標準的であったが、期待する効果は得られないことが多い。特に、ニューロンの数が少なかったり、Gal4ドライバーが弱かったりするアッセイでは、効果が得られない。ブランダイズ大学の研究チームは、ニューロンに特異的なCRISPR遺伝子編集を利用して、睡眠覚醒サイクルやその他の概日行動を制御する時計ニューロン (circadian neurons) 内の遺伝子3種類を変異させた。転写因子遺伝子   vrille、光受容体遺伝子クリプトクロム (Cryptochrome: cry)、神経ペプチド遺伝子Pdf (pigment dispersing factor / 色素拡散因子)である。その結果、既知の表現型を再現するだけでなく、光を介した異なる表現型に対するcryの機能を、時計ニューロンの個別の異なるサブセットに紐づけることが可能になった。

 さらに、最近発表された成体ニューロンにおける時間制御のための2つの方法、誘導性Cas9とオーキシン誘導性遺伝子発現系をテストした。結果は同じではなかったが、どちらのアプローチも、神経ペプチドPdfの成体特異的ノックアウトが、正規の機能欠損変異の表現型を再現することを示すことに成功した。

 以上、CRISPRに基づく方法は、小さく離散的なニューロン・セットにおける遺伝子の成体特異的機能を研究するのに極めて効率的なことが示された。
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