crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] NIH (National Institutes of Health / 国立衛生研究所)
[出典] "New Long Covid clinical trials" News at a glance in Science 2023-08-03. https://doi.org/10.1126/science.adk1003NEWS "NIH launches trials for long-COVID treatments: what scientists think" Kozlov M. Nature 2023-08-01. https://doi.org/10.1038/d41586-023-02472-1SCIENCEINSIDER "With new flurry of clinical trials, NIH finally seeks treatments for Long Covid" Frankel JC. Science. 2013-08-01. https://doi.org/10.1126/science.adk0838

 NIHは7月31日に、ブレインフォグ、心拍数の急増、睡眠障害などの症状を標的とした薬剤やその他の戦略を含む、ロングCOVIDに対する治療法を評価する臨床試験の計画を発表した。ほとんどの臨床試験は、100人から300人のロングCOVID患者を登録し、今年中に開始される予定である。
 
 神経学的介入には、Webベースの脳トレーニングプログラムや経頭蓋刺激装置が含まれる。また、免疫異常を治療するための免疫グロブリンの静脈内投与や、心拍数を低下させるイバブラジン (ivabradine) が評価される予定である。睡眠パターンを正常化には、メラトニン、光療法、いくつかの薬剤をテストする予定である。
 
 この新しい臨床試験は、2021年に開始されたNIHのロングCOVIDの研究活動であるRECOVERイニチアチブの成果を生かし、ロングCOVIDに対する抗ウイルス剤パクスロビッドの長期投与の有効性の試験では、25日間服用するグループへの参加を希望する患者の登録が進んでいる。
 
 Nature 誌は8月1日刊行のNews記事で、「この発表は、NIHの12億ドル近いRECOVERイニシアチブの方向性と生産性について、研究者やロングCOVID患者から2年間批判が続いた後に行われた。また、世界中で推定6,500万人が罹患している疾患について、NIHは研究への登録や治療法の試験を開始するのが遅すぎると批判している」と紹介している。またScinece 誌の8月1日刊行のScienceinsider記事も、記事のタイトルにも"finally"という言葉が使い、本文中でも「(RECOVERイニシアチブの発足以来の)動きが遅すぎる。効果的な治療法を切実に求めておるロングCOVIDの患者の助けになっていないといった批判を度々浴びてきた」と記している。ただし、両記事とも、研究者、医療従事者、患者は「臨床試験の開始されることは歓迎している」としつつ、治療法候補の取捨選択についての異論も紹介している。
 
 [ロングCOVID臨床試験に関するNIHからの発表]
 [crisp_bio注]
  • 日本では、塩野義製薬が、サーズウイルス2の治療薬「ゾコーバ」服用から6ヶ月間の追跡調査の結果、プラセボ服用者に比べて、痛みや倦怠感などの症状が続くリスクが45%減少したと発表している [朝日新聞アピタル 田中泰子 2023-02-22
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット