[出典] "Non-viral in vivo cytidine base editing in hepatocytes using focused ultrasound targeted microbubbles" (Running title: Delivery of CRISPR-Cas9 payloads using focused ultrasound). Anderson CD, Arthur JA, Zhang Y, Bharucha N, Karakikes I, Shohet RV. Mol Ther Nucleic Acids. 2023-08-01. https://doi.org/10.1016/j.omtn.2023.07.032  [著者所属] Burns School of Medicine, Stanford U. 
[注] CRISPR/Casゲノム編集ツールの非ウイルス性送達にFUSを利用する研究については、米中の共同研究チームが2023年6月23日にbioRix に投稿・公開 [*]している。
 
 CRISPR-Cas9をベースとするゲノム編集技術は臨床応用の可能性を秘めているが、生体内で標的細胞に核酸を送達することが大きな障害となっている。ウイルスベクターは広く使用されているが安全性に問題があり、一方、現在の非ウイルス法はトランスフェクション効率が低いという課題を抱えている。
 
 著者らは今回、ここでは、集束超音波・標的マイクロバブル破壊法(focused ultrasound targeted microbubble destruction:FUTMD)を用いて、CBEベクターをマウスの肝臓に導入する手法を報告した。
 
 PDE3B遺伝子を標的とする実証実験で、FUTMDを介したCBEベクターの送達により、マウス生体内で肝細胞に停止コドンを導入した [トリプトファン (TGG)をSTOPコドン (TAG, TGA) に変換]。オンターゲットでの最大編集効率は2.5%であったが、しかしながら、塩基基特異性が期待されるよりも低かった。なお、Million Veteran Programでの研究にて、PDE3B の機能喪失変異によってトリグリセリドのレベルが低下し、心不全のリスクが24%低下するという知見が得られている。
 
 本研究の結果は、FUTMDベースの遺伝子編集ツールを特定の臓器や部位に迅速かつ一過性に導入できることを示唆したが、同時に、非ウイルス性導入は、in vitroよりもin vivoにおいて、オフターゲット部位での塩基交換の頻度が高いことも明らかになった。
 
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