2024-01-19 Molecular Cell 誌査読付き論文書誌情報とグラフィカルアブストラクトへのリンクを追記
2023-08-10 bioRxiv 投稿準拠初稿
[出典] "Exploiting Activation and Inactivation Mechanisms in Type I-C CRISPR-Cas3 for Genome Editing Applications" Hu C, Myers MT [..] Zhang Y, Ke A. bioRxiv 2023-08-06 [preprint]. Mol Cell. 2024-01-18. https://www.cell.com/molecular-cell/pdf/S1097-2765(23)01080-8.pdfhttps://doi.org/10.1016/j.molcel.2023.12.034 [著者所属] Cornell U, U Michigan;グラフィカルアブストラクト
 
 タイプI CRISPR-Casシステムでは、複数のサブユニットを持つCascadeエフェクター複合体が標的DNAを認識し、ヌクレアーゼ-ヘリカーゼCas3がリクルートされて、標的DNAを切断する [*1]。タイプI-Cの7つのサブタイプのうち、タイプI-Cはコンパクトなサイズで、ヒト細胞内で大規模なゲノム欠失を誘導する活性が極めて高い。
 
 コーネル大学とミシガン大学の研究チームは、クライオ電顕による4種類のコンフォメーションのスナップショットに基づいて、ガイドRNA (crRNA) に誘導される標的DNAへの結合と切断の分子機構を高解像度で明らかにした。
 
 非標的DNA鎖(NTS)は、並置されたCas11サブユニット [*2]に沿って連続した結合溝にI-Cカスケードによって収容される。Cas3の結合はさらにNTSの柔軟なバルジを捕捉し、効率的なNTSニッキングを可能にする。
 
 研究チームはさらに、N. lactamica のI-C CRISPR-Cas を強く阻害する2種類の抗CRISPRタンパク質AcrIC8とAcrIC9を同定した。構造解析の結果、AcrIC8は直接競合によってPAM認識を阻害するのに対し、AcrIC9はアロステリック阻害によって阻害することがわかった。AcrIC8とAcrIC9は、ヒト細胞においてI-Cを介したゲノム編集と転写調節を強力に阻害し、タイプI CRISPRをベースとするゲノム工学のためのオフスイッチを提供する。
 
 [構造情報] (PDB公開待ち)
  • PDB 8GAF / EMD 29896: Cascade alone (3.64 Å)
  • PDB 8GAM / EMD 29900: Cascade/Partial R-loop (3.46Å)
  • PDB 8GAN / EMD 29901: Cascade/Full R- loop (3.26 Å)
  • PDB 8G9U / EMD 29879: Cascade/Full R-loop/Cas3 (3.04 Å)
  • PDB 8G9S / EMD 29877: AcrIC8- Cascade (3.41 Å)
  • PDB 8G9T / EMD 29878: AcrIC9- Cascade (3.63Å)
 [Cas3関連crisp_bio記事]