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[出典] "SARS-CoV-2–Specfic Immune Responses in Patients With Postviral Syndrome After Suspected COVID-19" Orban ZS, Visvabharathy L, Giraldo GSP, Jimenez M, Koranic IJ. Neurology: Neuroimmunology and Neuroinflammation 2023-08-23. https://doi.org/10.1212/NXI.0000000000200159 [著者所属] Feinberg School of Medicine (Northwestern U)

 米国におけるロングCOVID患者は、サーズウイルス2が陽性でCOVIDという診断が確定していた患者1億300万人の3分の1と推計されていたが、その推計は過小評価の可能性が出てきた。ノースウエスタン大学のNeuro COVID-19クリニックでは、サーズウイルス2が陽性でなくても、ロングCOVID [*] のなんらかの症状を示した外来患者も診断しており、その結果、29人と小規模なコホートであるが、その12人 (41%)からサーズウイルス2に感染したことを示すヌクレオカプシドタンパク質そしてまたはスパイクタンパク質に対する抗体を検出した。 [*] 論文ではpostviral syndrome (PVS)
 
 また、サーズウイルス2陽性でCOVIDと確定診断を受けていた患者は、発症後平均5.4ヵ月でロングCOVIDの診断を受けたのに対し、サーズウイルス2感染を知らないままクリニックにおいてロングCOVIDと診断された患者は、ロングCOVID発症後平均10.7ヵ月経過していた。
 
 今回の報告は、COVIDパンデミックの特に初期には、無症状の場合は、または軽症の場合でも、PCR検査を受けず、医療機関での診断を受けないまま過ごした人々が多数存在しその一定の割合がロングCOVIDのリスクを抱えていることを意味し、研究チームは、その規模は米国では1,000万人に及ぶと推定している。
 
 サーズウイルス2の無症状感染という特徴は、COVIDの予防と鎮圧を困難にしてきただけでなく、ロングCOVIDへの適切な対応も難しくするようだ。2023-08-24 11.31.07ここで、日本における新型コロナ患者数の推移と、陽性率の推移のグラフを貼っておこう。患者数の推移を見ると、7月24日からの急減が、8月11日の山の日からの連休後の15日以後反転して、急増しており、陽性率は一方で、7月24日以後50%以上が続いている。今回の報告は、右のグラフの中からは言うまでもなく、グラフ以外のところからもロングCOVID患者が発生することを意味している。
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