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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

2023-09-26 広島大学からプレスリリース (和文解説) が発表された:【研究成果】ゲノム編集のための簡易的安全性評価ソフトウェアを新規開発〜バイオDXによる安全な品種改良やゲノム医療へ期待〜. 広島大学 2023-09-25. 

2023-08-09 初稿
[注] DANGERは、Deleterious and ANticipatable Guides Evaluated by RNA-sequencing に由来する
[出典] "DANGER analysis: risk-averse on/off-target assessment for CRISPR editing without a reference genome" Nakamae K, Bono H. Bioinformatics Advances. 2023-08-23. https://doi.org/10.1093/bioadv/vbad114 [著者所属] 広島大, プラチナバイオ (PtBio Inc.)

 DANGER解析はRNA-seqデータを介して、発現変化に関連するmRNA転写領域上のゲノムオン/オフターゲット部位を解明し、遺伝子オントロジー (GO) 用語のレベルでの表現型リスクを定量化する。

 ヒト細胞およびゼブラフィッシュ脳の遺伝子編集サンプルから得られたRNA-seqデータにおいて、リスク回避を可能とするオンターゲット編集とオフターゲット編集の評価が可能なことを実証した。DANGER解析によってオフターゲット部位を検出し、編集された変異体のトランスクリプトーム表現型に対して有害なオフターゲットの潜在的寄与を定量的に評価することに成功した。

 注目すべきは、DANGER解析では、de novoトランスクリプトームアセンブリーを活用して、参照ゲノムなしでリスク回避的なオン/オフターゲット評価が可能なことを示した点である。

 DANGER解析は、トランスクリプトームを持つすべての生物におけるゲノム編集の安全な設計を促進し、参照ゲノムが存在しないあるいは不完全な非モデル生物、個々のヒトゲノム、疾患やウイルス由来の非典型的ゲノムにおけるゲノム編集の評価に利用可能である。

 DANGER解析パイプラインのスクリプトはhttps://github.com/KazukiNakamae/DANGER_analysisで入手可能であり、Readmeページには、この論文で紹介した結果を再現するためのチュートリアルが用意されている。
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