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[出典] "Evidence of leaky protection following COVID-19 vaccination and SARS-CoV-2 infection in an incarcerated population" Lind ML [..] Cummings DAT, Ko AI. Nat Commun 2023-08-19. https://doi.org/10.1038/s41467-023-40750-8 [著者所属] Yale School of Public Health, Yale School of Medicine, Connecticut Department of Correction, UT Southwestern, Stanford U, U Florida, Instituto Gonçalo Moniz (Brazil, 兼任)

 サーズウイルス2感染者と密にそしてまたは長時間接していれば、サーズウイルス2に感染するリスクが高まることは、直感的に、理解できる現象である。その直感を裏付けるデータを米国の研究チームが報告した。
 
 研究チームは、検査が頻回に行われ、かつ、感染者と被感染者の位置関係を把握できる環境にあるコネチカット州ウェザーズフィールドの刑務所において、米国コネチカット州でデルタとオミクロンが優勢であった時期に、データを集積した。
  • 収容者を3種類の分類して解析を進めた。すなわち、サーズウイルス2感染者から密接な暴露を受けた収容者 (同じ房内:以下、暴露強) 、中程度な暴露を受けた州勝者 (刑務所内の同じブロック内:以下、暴露中) 、および、暴露の記録が無い収容者 (以下、暴露記録無) である。
  • 暴露強と暴露中の入所者は、デルタ期間およびオミクロン期間のいずれにおいても、サーズウイルス2に感染するリスクが、暴露記録無の入所者よりも有意に高いことを見出した。
  • さらに、サーズウイルス2への先行感染,COVID-19ワクチン接種,およびハイブリッド免疫(先行感染とワクチン接種) は,暴露中と暴露記録無の入所者の感染リスクを有意に低下させたが、暴露強の入所者への感染リスクを低下させなかった。
  • また、デルタ期とオミクロン期における暴露強と暴露中の入所者への二次感染リスクは、インデックス感染者のワクチン接種による有意な減少は見られなかった。
 本研究は、厳密な臨床試験ではないが、「密」な環境においては、マスクの着用、効果的な換気などの非医薬的介入が必要なことを、示唆した。また、三密を避けるという介入の意味もデータで裏付けられた。
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