[出典] "Measuring the Impact of Genetic Heterogeneity and Chromosomal Inversions on the Efficacy of CRISPR-Cas9 Gene Drives in Different Strains of Anopheles gambiae " Pescod P [..] Nolan T. CRISPR J. 2023-09-13. https://doi.org/10.1089/crispr.2023.0029
 [著者所属] Liverpool School of Tropical Medicine, U Rome "la Sapienza," Rome, U Crete, Institute of Molecular Biology and Biotechnology (Greece)

 マラリアを媒介するガンビエハマダラカは、殺虫剤に対する耐性を増しており、遺伝子操作による制御法の開発に拍車がかかっている。CRISPR-Cas9遺伝子ドライブは、ゲノム上の極めて特異的な標的部位二本鎖切断を生じさせ、切断部位への遺伝子ドライブ・カセットのコピー(homing/ホーミング) を誘発し、その次世代への遺伝を実現することによって、集団を縮小するなどの制御を可能とする技術として、近年、研究が進んでいる。
 
 遺伝子ドライブにおいては、遺伝子ドライブ・カセットのドナー染色体とレシピエント染色体の相同性が必要である。実験室で開発した2種類の遺伝子ドライブ (vas2-5958とzpg-7280) を、アフリカで採取されたゲノムの変異が大きい [*]3種類のガンビエハマダラカに導入し、変異がホーミングに与える影響を解析した。また、2La染色体逆位の異なる核型間でのホーミングも評価した。
[*] 遺伝子ドライブ・カセットの標的領域において5.3 - 6.6%の変動
 
 評価の結果、遺伝子ドライブのホーミングは標的部位の異型性には影響されず、したがって、実験室で開発した遺伝子ドライブを野生個体群への遺伝子ドライブに適用可能性が示唆されrた。