[出典] "Structural transitions upon guide RNA binding and their importance in Cas12g-mediated RNA cleavage"Liu M, Li Z [..] Zhang B, Ouyang S. PLoS Genet 2023-09-20. https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1010930 [著者所属] Fujian Normal U, Southern U of Science and Technology.
 
 Cas12gは、V型RNAガイドCRISPR-Casファミリーに属するエンドヌクレアーゼであり、RuvCドメイン内に保存されているエンドヌクレアーゼ活性部位を用いてRNA基質を切断することが知られている。
 
 中国の研究チームが今回、Cas12gアポCas12gの結晶構造、Cas12g-sgRNA複合体のクライオ電顕構造を決定し、アポ状態からCas12g-sgRNA複合体への移行時に起こる構造変化を解析した [右図はFig. S7から引用した遷移モデル図] 。
 
 Cas12gの保存されたジンクフィンガーモチーフは、Cas12gがアポ状態からsgRNA結合状態へ遷移する際に、秩序化から無秩序化へと移行し、その変異は標的RNA切断にマイナスの影響を与えることを同定した。さらに、RuvCドメインにおいてヘリックスからループへと変化することで、RuvC活性部位へのアクセスとそれに続くRNA基質の切断を制御するリッド・モチーフを同定した。
 
 本研究は、Cas12gがsgRNAを認識するメカニズムと、sgRNAの結合からRNase活性部位の活性化までに受ける構造変化に関する知見を提供し、それによってRNA編集のためのツールとしてCas12gを再利用する可能性の基礎を築いた。
 
 [構造情報]
  • PDB-8l16: apo-Cas12g [2023-09-23 未公開]
  • PDB-8I3Q / EMD-35154: Cryo-EM structure of Cas12g-sgRNA binary complex (解像度 3.1 Å)
 [Cas12g関連crisp_bio記事]
  • CRISPRメモ_2018/12/07 [第1項] クラス2タイプV CRISPR-Casシステムの新たなエフェクター/サブタイプとそのDNA/RNA切断活性の同定:... Cas12gは、RNA誘導ssRNA切断に加えて、非選択的にssRNAとssDNAを切断する