[出典] "Efficient plant genome engineering using a probiotic sourced CRISPR-Cas9 system" Zhong Z, Liu G, Tang Z, Xiang S [..] Qi Y, Huang J, Zhang Y. Nat Commun. 2023-09-29. https://doi.org/10.1038/s41467-023-41802-9 [著者所属] 電子科技大学 (四川省), 西南大学, 揚州大学農学院, 揚州大学, Horticulture Research Institute (四川省) , Vegetable Germplasm Innovation and Variety Improvement Key Laboratory of Sichuan Province,  U Maryland

 CRISPR-Casゲノム編集システムの中で、スクリーンショット 2023-10-04 19.44.10ヒト病原菌である化膿性レンサ球菌 (Streptococcus pyogenes ) 由来のCas9 (SpCas9) が最も広く利用されている。中国と中国出身在米の研究チームは今回、in silico データマイニングにより [Fig. 1引用右図参照]、プロバイオティクスの一種であるLactobacillus rhamnosus 由来の CRISPR-Cas9 (LrCas9) を利用することで、効率的な植物ゲノム工学システムを確立した。
  •  バクテリアのPAM欠失アッセイにより、in silico で予測された5'-NGAAA-3'PAMを確認し、イネ、コムギ、トマト、Larixの細胞において、同一の配列を標的とした場合、LbCas12a、SpCas9-NG、SpRYを上回る卓越した編集効率を示した。
  •  イネの安定系統において、LrCas9を利用することで、多重遺伝子ノックアウトおよび標的遺伝子のプロモーター欠失によるノックダウンを容易かつ高い特異性で達成した。
  • また、LrCas9由来のシトシンとアデニンの塩基エディター (CBEとABE) も作出し、植物における塩基編集ツールボックスを拡充した。
  • 最後に、LrCas9がA/TリッチなPAMを認識する特性を利用することで、植物における効率的なCRISPR干渉と活性化システム (CRISPRiとCRISPRa) も実現した。
 CRISPR-LrCas9は、農作物をはじめとするの多様な植物のゲノム工学に向けた、効率的でユーザーフレンドリーなゲノム工学ツールである。