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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "Genotyping MUltiplexed-Sequencing of CRISPR-Localized Editing (GMUSCLE): An Experimental and Computational Approach for Analyzing CRISPR-Edited Cells" Zhang P, Abel L, Casanova JL, Yang R. CRISPR J. 2023-10-10. https://doi.org/10.1089/crispr.2023.0021 [著者所属] Rockefeller U, INSERM UMR1163, Necker Hospital for Sick Children, U Paris Cité, HHMI.
 
 CRISPR-Cas9はガイドRNAの標的部位にDNA二本鎖切断 (DSB) を作り、その修復過程で標的部位周辺に挿入欠失が生じる。これらの修復は単一アレルまたは両アレルで発生し、また、ランダムに発生し、時に長期化するため、細胞集団内でかなりの不均一性が生じる。一方で、CRISPR-Cas9で編集された細胞集団において、各細胞の遺伝子型判定は簡単なことではなく、これまでの、遺伝子型判定 (ジェのタイピング) は大変な手間がかかる。
 
 仏米の研究チームが今回、CRISPR-Cas9ゲノム編集細胞のジェノタイピングのための合理化された実験的・計算的プロトコルを開発した。このプロトコールには、費用対効果の高いマルチプレックスシークエンシングとGenotyping MUltiplexed-Sequencing of CRISPR-Localized Editing (GMUSCLE)と命名されたソフトウェアが含まれ、CRISPR-Cas9編集の対象とした細胞の塩基配列を詳細に決定し、GMUSCLEで遺伝子型を定量的・定性的に同定することで、目的の遺伝子型を持つ細胞クローンの選択と分析を可能にする。
 
 スクリーンショット 2023-10-22 7.22.15実証実験では、インターフェロン-α/β受容体αに対するCRISPR-Cas9を介した破壊、多重シークエンシング、と同時に、20の細胞クローンに対する遺伝子型を同定することに成功した。
 
 GMUSCLEは、このプロトコルのマルチプレックスシーケンシングに加えて、バルク細胞集団からのシーケンスデータにも適用可能である。GMUSCLEはHGIDSOFTサーバー [右図はスクリーンキャプチャ]とGitHubから公開した。

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