[出典] "Serotonin reduction in post-acute sequelae of viral infection" Wong AC, Devason AS, Umana IC [..] BA Abramoff, Cherry S, Thaiss CA. Levy M. Cell 2023-10-16. https://doi.org/10.1016/j.cell.2023.09.013 [著者所属] Perelman School of MedicineをはじめとするUPennの各部門, Goethe U Frankfurt, Thomas Jefferson U, Rush U Medical Center, Rush Center for Integrated Microbiome and Chronobiology Research, UCSF
COVID-19後遺症 (Post-acute sequelae of COVID-19/PASC; Long COVID/ロングCOVID) が、世界的に重大な健康上の課題になっている。ロングCOVIDが引き起こされる機序は未だ不明であり、有効な治療法も未だ見つかっていない。ロングCOVIDの病因を説明するために、ヒト体内でのウイルスの持続性、慢性炎症、凝血能亢進、自律神経機能障害など、いくつかの仮説はたてられている。
ペンシルベニアを主とする研究チームは今回、COVID-19患者のコホート、ウイルス感染動物モデル、および、オルガノイドを対象とする解析に基づいて、例示した4つの仮説を説明可能であり、ひいては、治療介入に役立つ知見を得た。
ロングCOVIDにおけるセロトニンの減少は、サーズウイルス2のRNAに応答するI型インターフェロン (以下、IFNs) によって引き起こされる。IFNは、細胞表面受容体IFNARを介したシグナル伝達を介してセロトニン前駆体であるトリプトファンの腸管における吸収を低下させ、同時に、セロトニン貯蔵に影響を与える血小板の活性化亢進と血小板減少、および、モノアミン酸化酵素を介してセロトニンの代謝を亢進する。こうして、抹消のセロトニンが減少すると、迷走神経の活動が阻害され、海馬の反応と記憶が損なわれる [グラフィカルアブストラクト参照]。
今回明らかになった機序は、ロングCOVIDにおけるウイルス持続に伴う神経認知症状を説明可能であり、サーズウイルス2以外のウイルス感染後の症候群にも存在する可能性がある。
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