[出典] "mRNA trans-splicing dual AAV vectors for (epi)genome editing and gene therapy" Riedmayr LM [..] Becirovic E. Nat Commun. 2023-10-18. https://doi.org/10.1038/s41467-023-42386-0 [著者所属] LMU Munich, ViGeneron GmbH, U Zurich, Harvard Medical School, Leiden Medical Center, Netherlands Institute for Neuroscience, German Center for Cardiovascular Research

 CRISPR-dCasをベースとする遺伝子活性化因子 (CRISPRa) のように複数のCRISPR-Casモジュールを含む大型の遺伝子を生体内へ送達し発現させるためには、デュアルAAVベクターを必要とする。しかし、現行のデュアルAAVベクターの手法には、目的とする遺伝子の再構成の効率が低いこと、目的以外のタンパク質が産生されるリスクを伴うこと、および、目的とする遺伝子(タンパク質)の分割部位の選択の柔軟性に乏しいこと、といった重大な限界がある。

 ドイツにスイス、米国、およびオランダが加わった研究チームは今回、Trans splicing 1mRNAのトランススプライシング (REconstitution Via mRNA Trans-splicing : REVeRT) を介した再構成を実現するデュアルAAVベクター技術を報告した [Fig. 1引用右図参照]。
  • REVeRTは分割する (スプリット) 部位の選択に柔軟性があり、多くのin vitroモデル、ヒト・オルガノイド、生体内において、異なるスプリット遺伝子を効率的に再構成することができる。
  • REVeRTはまた、多様なマウス組織や臓器において、多様な投与経路で、単一または多重アプローチにより、CRISPRaモジュール標的遺伝子を機能的に再構成することができる。trans splicing 5
  • REVeRTは、シュタルガルト病 [*] モデルマウスにおいて、硝子体内注射後の完全長ABCA4再構成を実現した [Fig. 5引用右図参照]。
 REVeRTはその柔軟性と効率性から、基礎研究や臨床応用に大きな可能性を秘めている。

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