[注] LRRKS2 ( Leucine Rich Repeat Kinase 2)
[出典] "Genome-wide screen reveals Rab12 GTPase as a critical activator of Parkinson's disease-linked LRRK2 kinase" Dhekne HS,  [..] Pfeffer SR. eLife 2023-10-24. https://doi.org/10.7554/eLife.87098 [著者所属]  Stanford U, U Dundee.

 LRRK2の活性化変異はパーキンソン病 (PD) を引き起こす。Suzanne R Pfeffer の研究チームは先行研究で、LRRK2はRab GTPaseのサブセット、特にRab10とRab8Aをリン酸化し、これらのリン酸化RabがLRRK2の膜へのリクルートと活性化に重要な役割を果たすことを示していたが [eLife 2022]、今回、細胞内のphosphoRab10のレベルを制御する因子を同定するために、マウスNIH-3T3細胞を対象に、フローサイトメトリーアッセイを介した偏りのないプール型CRISPRゲノムワイドスクリーンを行った (19,674遺伝子を標的とする78,637 sgRNAsラ細胞から枯渇させた場合と過剰発現させた場合のいずれにおいても、イブラリーを使用)。
 
 その結果、複数の正・負の制御因子が同定されたが、Rab12がLRRK2活性の最も強力な制御因子であった。驚くべきことに、Rab12 遺伝子をノックアウトすると、複数の細胞型とマウス組織において、phosphoRab10のレベルが特に効果的に低下した。Rabに駆動されるphosphoRab10のレベル上昇は、Rab12に特異的であり、LRRK2に依存し、PPM1HAホスファターゼ可逆的、であるが、Rab12のリン酸化を必要としなかった。これらの現象は、野生型および病原性変異 (G2019SとR1441C)型のLRRK2の双方で見られた。
 
 AlphaFoldによる構造予測から、LRRK2アルマジロドメインに新規のRab12結合部位があることが明らかになり、この部位でのRab12相互作用に必須と予測される残基が、LRRK2のRab29活性化とは異なる方法で、phosphoRab10とphosphoRab12レベルに影響を及ぼすことが示唆された。
 
 今回得られたデータは、LRRK2アルマジロドメインの新しい部位へのRab12の結合が、Rabリン酸化のためにLRRK2キナーゼを活性化することを示しており、キナーゼドメインを標的としない新しいクラスのLRRK2阻害剤の新しい治療標的となる可能性がある。