[注] 血中循環腫瘍DNA (Circulating Tumor DNA: ctDNA)
[出典] "CRISPR/dCas9-Mediated Specific Molecular Assembly Facilitates Genotyping of Mutant Circulating Tumor DNA" Liang T [..] Li X, Yang F. Anal Chem 2023-10-24. https://doi.org/10.1021/acs.analchem.3c03481グラフィカルアブストラクト
 [著者所属] 広西医科大学, 湖北民族大学, 広西壮族自治区人民医院

 腫瘍リキッドバイオプシーに、ctDNA分析におけるブレークスルーが求められているが、ctDNAは二本鎖構造をとっており、存在量が極めて少なく、半減期が短いため、技術的なハードルが高い。中国の研究チームが今回、ctDNAを一塩基分解能で高感度かつ特異的に検出するための電気化学的CRISPR/dCas9センサー (E-dCas9) を開発した。

 E-dCas9のデザインは、dCas9による標的ctDNAの特異的な捕捉と二本鎖の巻き戻しを利用し、特異的な分子アッセンブリーとシグナル増幅のための相補的なレポータープローブを挿入する。続く、界面クリック反応を介して、一塩基変異を帯びたctDNAを高感度 (検出限界 2.86fM)かつ6桁に及ぶ広いダイナミックレンジを達成した。

 このセンサーによって、大量の血中循環DNA (> 1ng/μL) 存在下で10fg/μLの変異ctDNAの検出が可能になり、これは野生型に対して0.001%の変異型をプローブすることに相当する。

 さらに、E-dCas9によって、細胞ゲノムDNAの動的発現をモニターすることも可能であり、非小細胞肺癌患者の血液サンプルの正確な分析を可能にすることから、E-dCas9がctDNAに基づく癌診断における有望なツールである可能性が示唆された。