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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] 
  • 論文 "A designer peptide against the EAG2–Kvβ2 potassium channel targets the interaction of cancer cells and neurons to treat glioblastoma" Dong, W., Fekete, A., Chen, X [..] Huang X. Nat Cancer 2023-09-11/October. https://doi.org/10.1038/s43018-023-00626-8 [著者所属] The Hospital for Sick Children, U Toronto, 中南大学, City College of New York, The Children’s Hospital of Philadelphia, U Pennsylvania, Mount Sinai Hospital
  • News & Views "Targeting network circuitry in glioma" Robbins, S.M., Senger, D.L. Nat Cancer 2023-10-25. https://doi.org/10.1038/s43018-023-00640-w [著者所属] Jewish General Hospital, McGill U.
 膠芽腫 (グリオブラストーマ: GBM) は、有効な治療法がない難治性の脳腫瘍である。カナダに中国と米国が加わった研究チームが今回、EAG2とKvβ2が、腫瘍と脳の境界部に存在するGBM細胞で主に発現しており、GBMに濃縮されたKvβ2アイソフォームにより、物理的に相互作用してカリウムチャネル複合体を形成していること、EAG2-Kvβ2複合体を遺伝的にノックダウンすると、GBM細胞のカルシウム過渡現象が減少し、腫瘍の成長と浸潤が抑制され、担癌マウスの生存期間が延長すること、を発見した。神経細胞は、EAG2-Kvβ2に依存することで、GBM細胞の化学療法抵抗性遺伝子を上方制御する

 研究チームは、EAG2-Kvβ2相互作用を阻害するペプチド ("designer peptide")を設計し 、これにより、GBMのサブタイプにかかわらず、患者由来の異種移植モデルおよび同種マウスモデルにおいて、明らかな毒性を示すことなく腫瘍増殖を抑制した。また、このデザイナーズペプチドは、テモゾロミド抵抗性GBM細胞においても強固な有効性を示した。

["Designer peptides"関連レビュー]
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