[出典] "CRISPR/Cas9-mediated mutations of FANTASTIC FOUR gene family for creating early flowering mutants in tomato" Shang L, Tao J [..] Zhang Y. Plant Biotechnol J 2023-11-09. https://doi.org/10.1111/pbi.14223 [著者所属]  華中農業大学, U Nottingham, 中国农业科学院深圳农业基因组研究所

 開花時期は農業上非常に重要であり、通常、開花のタイミングと期間が、花、果実、種子の収量と利用可能性を決定する。したがって、トマトの育種においても、開花を決定する遺伝子の同定が重要な意味を持つ。中国に英国が加わった研究チームが今回、トマトの開花時期の調節における植物特異的FANTASTIC FOUR (FAF) 遺伝子ファミリーの役割を同定した。
  • FAFファミリーの中で、SlFAF1/2aが、頂端分裂組織 (shoot apical meristem: SAM) が生長から生殖に移行する時期に構成的発現パターンを示し、開花時期に大きく影響する。SlFAF1/2aを過剰発現させると、FAFファミリーの他の遺伝子の形質転換に比べて開花が早まる。
  • SlFAF1/2cもトマトの開花を正に制御するが、その程度は低い。
  • SlFAF遺伝子ファミリーの他のメンバーであるSlFAF1/2b、SlFAF3/4aおよびSlFAF3/4bは、トマトの開花の負の調節因子であり、faf1/2b、faf3/4aおよびfaf3/4bの単一変異体はすべて早期開花を示す。
  • CRISPR/Cas9編集システムを利用して一連の早期開花変異体を作製したところ、faf1/2b faf3/4a faf3/4bの三重変異体は他の変異体と比較して最も早く開花した。さらに重要なことに、これらの変異体は収量に悪影響を及ぼさなかった。
 本研究は、FAF遺伝子ファミリーがトマトの開花時期の調節に果たす役割を明らかにし、分子育種用の早咲き遺伝資源を作出するに至った。