2024-03-28 Gene Therapy 誌からの査読済み論文としての書誌情報を追記: "Adeno-associated virus genome quantification with amplification-free CRISPR-Cas12a" Hetzler Z [..] Wei Q. Gene Ther 2024-03-25. https://doi.org/10.1038/s41434-024-00449-x

2023-11-21 bioRxiv 投稿に準拠した初稿
[出典] "Rapid Adeno-Associated Virus Genome Quantification with Amplification-Free CRISPR-Cas12a" Hetzler Z [..] Wei Q. bioRixv 2023-11-15 [preprint]. https://doi.org/10.1101/2023.11.14.567134 [著者所属]  North Carolina State U, Biostealth ( Durham), Millipore-Sigma (St. Louis), Merck KGaA (Darmstadt)

 組換えアデノ随伴ウイルス (rAAV) ベクターの効率的な製造が、臨床からの需要増に応えるにあたり依然として高いハードルになっている。その中で最も大きな課題の一つが、治療用ゲノムを含まない空のカプシドが大量に生成されることである。また、ウイルス遺伝子を正確に定量する標準化された分析法はなく、ひいては空のカプシドと治療用ゲノムを帯びたカブシドの比率の定量の標準化がされていないことが、製造上の課題をさらに複雑にしている。 CRAAVE 1

 米独の研究チームは今回、AAVゲノムの力価を測定するためのロバストかつ迅速なCRISPR-Dx (CRISPR diagnostics) の手法、CRAAVE (CRISPR-AAV Evaluation)、を開発した [Figure 1引用右図参照]
  • CRAAVEアッセイはAAV2 ITR D-配列(紺色領域)を特異的に検出するように構築されている。CRAAVE 2Cas12aが、D-配列に結合しシス開裂と同時に、 Cas12a酵素はssDNAレポーター分子の非特異的トランス切断を開始する [Figure 2引用左図参照]。
  • CRAAVE (CRISPR-AAV Evaluaon)は、感度を最大化し、結果を得るまでの時間を最小化し、異なるAAV血清型内に封入された複数のトランスジーン・コンストラクトを定量するための普遍的なデザインを提供する。
  • エンドユーザーのアッセイ・インプットを最小限に抑える凍結乾燥試薬を用いたオンチップCRAAVEアッセイも開発した。
  • CRAAVEアッセイによって、従来の定量的PCR (qPCR) 法と比較して、新規なAAVの力価の高精度 ( 誤差 < 3%) な定量と、7e7 vg/mLという低いAAV力価の検出が、可能になった。
  • アッセイに必要な時間はわずか30分で、分析時間の大幅な短縮も実現した。
 本投稿は、CRISPR-DxのアプローチがrAAVゲノムの力価を効率的に定量するための有望なツールをもたらし、バイオマニュファクチャリングのプロセス分析技術 (process analycal technology: PAT)に革命をもたらす可能性があることを示唆している。