[出典] "Deletion of the Candida albicans TLO gene family using CRISPR-Cas9 mutagenesis allows characterisation of functional differences in α-, β- and γ- TLO gene function" Fletcher J, O’Connor-Moneley J, Frawley D, Flanagan PR [..] Sullivan DJ, Moran GP. PLoS Genetics. 2023-12-04. https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1011082 [著者所属] Trinity College Dublin, U del Pa ́ıs Vasco, U Kent, Ohio State U.

 C. albicans はヒトの真菌感染症を引き起こす代表的な単細胞酵母であるが、通常は消化管や膣に生息する微生物群の一部としてバランスを保ちながら生きている。しかし、免疫不全の宿主など特定の条件下では、この酵母が異常増殖し、表面的なものから重篤な疾患まで、さまざまな感染症を引き起こすことがある。C. albicans がどのように病気を引き起こすかについての理解は、まだ初歩的なものである。

 C. albicans のゲノムの最もユニークな点の一つは、遺伝子の転写に関与するマルチペプチド複合体であるメディエーターのMed2 構成要素をコードする14個のTLO遺伝子ファミリーの存在である。Dublin Dental University Hospital & University of Dublinを主とする英米の研究チームは今回、CRISPR-Cas9を介した変異誘発法を利用して14個のC. albicans TLO遺伝子をすべて欠失させることに成功した。

 この変異株と代表的なTLO遺伝子を発現する株の分子生物学的および表現型解析から、TLO/MED2遺伝子ファミリーが、糖質代謝、細胞形態、ストレス耐性、病原性を含む広範な細胞機能に必須であること、そして個々のTLO遺伝子がコードするタンパク質には機能的多様性があることを直接確認することに成功した。