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[出典] "CRISPR/Cas9-mediated nexilin deficiency interferes with cardiac contractile function in zebrafish in vivo" Hofeichner J [..] Just S. Sci Rep. 2023-12-19. https://doi.org/10.1038/s41598-023-50065-9 [著者所属] Ulm U.

 ネキシリン(NEXN)は、線条筋線維のサルコマーZディスクの安定化に重要な役割を果たしており、変異するとヒトでは拡張型心筋症を引き起こす。マウスの新生仔初期致死性のため、構成的ホモ接合性NEXN ノックアウトが心臓や骨格筋の形態や機能に及ぼす詳細な影響については十分に調べられていない。
 
 ドイツの研究チームは今回、CRISPR/Cas9を介した構成的ホモ接合性 nexn ノックアウトゼブラフィッシュモデルの樹立に成功し、その解析から、Nexn 欠損胚は心収縮力が著しく低下し、ストレス条件下では骨格筋の組織も障害されるが、骨格筋の機能には影響しないことを、見出した。

 驚くべきことに、CRISPR/Cas9によるnexn<-/->ノックアウト胚は、nexn モルファントとは対照的に、顕著な心膜浮腫やうっ血を生じることなく、より穏やかな表現型を示した。nexn 特異的発現解析と全トランスクリプトームプロファイリングは、ある程度の代償機構の存在を示唆した。nexn<-/->ノックアウト胚では、多数の必須サルコメアタンパク質の転写産物が大量に誘導されることで、サルコメアを安定化させる機能が生じていることを示唆した。
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