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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] 
  • 論文:"Predicted risk of heart failure pandemic due to persistent SARS-CoV-2 infection using a three-dimensional cardiac model" Murata K, Makino A, Tomonaga K, Masumoto H. iScience. 2023-12-22. https://doi.org/10.1016/j.isci.2023.108641  [所属] 理研 (臨床橋渡しプログラム),  京大 (附属病院 心臓血管外科, 医生物学研究所 ウイルス感染研究部門)
  • 日本語解説:「ポストコロナ」で警戒すべき心不全パンデミック-SARS-CoV-2の持続感染は心不全リスクを高める可能性-. 理化学研究所, 京都大学. 2023-12-23. 
 サーズウイルス2がヒト細胞への侵入に利用するヒト受容体ACE2は、ほとんどの組織の細胞表面で発現しているが、その中で、ACE2が高発現している器官の一つが心臓である。一方で、慢性心筋症の患者では、心筋細胞におけるACE2の発現が健常対照者よりも高いとする報告が複数発表されている。したがって、慢性心筋症の患者の心臓には特に、サーズウイルス2が持続感染している可能性がある。この可能性は、COVID-19の世界的な爆発的感染 (パンデミック) が、後々、心不全パンデミックが発生するリスクが存在することを示唆する。

 研究チームは今回、2023-12-24 12.45.13ヒトiPS細胞由来の心臓マイクロ組織 (cardiac microtissues: CMT) [*]を用いて、サーズウイルス2持続感染モデルを作成し、心不全パンデミックが発生するリスクを検証した [グラフィカルアブストラクト引用右図参照] 。
  • 軽度の感染では、1ヶ月間有意な機能障害を起こすことなくウイルスの存在を維持し、持続感染を示した。
  • 一方で、虚血性心疾患を模倣した低酸素条件にさらされると、心筋細胞における細胞内サーズウイルス2の再活性化と血管網形成の破綻とともに、心機能が悪化した。
 本研究は、サーズウイルス2が持続的に心臓に感染し、虚血のような有害な刺激によって引き起こされる心機能障害を日和見的に引き起こすことを示しており、COVID-19後の心不全パンデミックのリスクが存在することを示した。

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