[出典] "Translation of non-canonical open reading frames as a cancer cell survival mechanism in childhood medulloblastoma" Hofman DA, Ruiz-Orera J [..] van Hersch S, Prensner JR. Mol Cell. 2024-01-03. https://doi.org/10.1016/j.molcel.2023.12.003 [著者所属] Princess Máxima Center for Pediatric Oncology, Max Delbrück Center for Molecular Medicine in the Helmholtz Association, Broad Institute, Dana-Farber Cancer Institute, Brigham and Women’s Hospital, Boston Children’s Hospital, U Cincinnati, Charité-Universitätsmedizin, German Centre for Cardiovascular Research, U Michigan Medical School;グラフィカルアブストラクト
高リスクの小児髄芽腫の特徴として、RNA翻訳の調節不全が知られている。これまで、既知のタンパク質の翻訳が、髄芽腫における研究の焦点であったが、一方で、ヒト癌が非正規ORFに依存することも知られている [*]。
[*] crisp_bio 2023-11-03 CRISPR-Cas9による非従来型トランスラトームの機能解析を介して、ヒト癌におけるクリプティック非正規型ORFへの依存性を発見.
オランダ、ドイツ、米国の研究チームは今回、32の髄芽腫組織と細胞株についてリボソームプロファイリング (Ribosome Profiling / Ribo-seq)を行った結果、広範な非正規ORFが翻訳されていることを同定した。
次に、髄芽腫癌細胞の生存に関与する非正規ORFを特定するために、2,019個の非正規ORFを標的とするCRISPRガイドRNAライブラリーを設計し、7つの髄芽腫細胞株(4つのMYC駆動および3つの非MYC駆動) でCas9機能喪失ノックアウトスクリーンを行った。その結果は、細胞株間で類似し、再現性が高いと判断された。さらに、タイリングCRISPR-Cas9によるORF特異的飽和変異導入法と塩基エディター (ABE8e-NRCH)を利用して、複数のlncRNA-ORFおよび上流のORF (upstream ORF / uORF) とuORFから翻訳される推定マイクロタンパク質 (microprotein) の機能を同定した [実験ワークフローについてFigure 2. Non-canonical ORFs are frequently essential genes in medulloblastoma参照]。
これらのuORFの1つであるASNSD1(Asparagine Synthetase Domain Containing 1)-uORFまたはASDURFによってコードされるマイクロタンパク質は、膠芽腫においてアップレギュレートされ、MYC ファミリーの癌遺伝子と関連し、プレフォルディン (prefolding) 様シャペロン複合体との関与を通して髄芽腫細胞の生存を促進した。
本研究は、髄芽腫において非正規ORF翻訳が重要な機構であり、膠芽腫治療の新たな標的候補であることを、示した。
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