1. [レビュー] CRISPR/Cas9をベースとする塩基エディターとミトコンドリア工学の展望
[出典] Review "CRISPR/Cas9-mediated base editors and their prospects for mitochondrial genome engineering" Eghbalsaied S, Lawler C, Petersen B, Hajiyev RA, Bischoff SR, Frankenberg S. Gene Ther 2024-01-04. https://doi.org/10.1038/s41434-023-00434-w [著者所属] U Melbourne, Islamic Azad U (Iran), U Medical Center Göttingen, Friedrich-Loeffler-Institute, eGenesis (USA), NovoHelix (USA), Kent State U, Foundry for Genome Engineering & Reproductive Medicine
塩基エディター (BEs)はDNA二本鎖切断 (DSB) フリーの遺伝子編集技術の一種であり、Casヌクレアーゼによる遺伝子編集よりもオフターゲット率やインデル率が低いことから、注目を集めている。これにはシトシンおよびアデノシン塩基エディター (CBEとABE)、さらに最近ではグアノシン塩基エディター (GBE)が含まれている。
BEsのミトコンドリアDNA (mtDNA) の精密な操作への応用にも関心が高まっているが、BEsのコンストラクトのミトコンドリアへの効率的に送達など、いくつかの課題が存在する。例えば、sgRNAの構造とCasタンパク質とsgRNAの比率の両方が、ミトコンドリアへの効率的なsgRNA導入のための重要な要因であることが知られている。
2. ミトコンドリア病の遺伝子治療
[出典] REVIEW "Gene therapy for mitochondrial disorders" Keshavan N, Minczuk M, Viscomi C, Rahman S. J Inherit Metab Dis 2024-01-03. https://doi.org/10.1002/jimd.12699 [著者所属] UCL Great Ormond Street Institute of Child Health, Great Ormond Street Hospital, MRC Mitochondrial Biology Unit (U Cambridge), U Padova, Veneto Institute of Molecular Medicine
英国とイタリアの研究チームが、原発性ミトコンドリア病 (PMD) に対する遺伝子治療の現状をレビュー。
臓器ターゲッティングを可能にする組換えアデノ随伴ウイルス (rAAV) の技術開発によって、核遺伝子疾患に対する遺伝子置換アプローチが、10種類以上のPMDの前臨床マウスモデルで成功裏に行われている。その中で、GS010 (lenadogene nolparvovec)の第3相臨床試験で有効性と良好な忍容性が示されたレーバー遺伝性視神経症が最も進展している。
臓器ターゲッティングを可能にする組換えアデノ随伴ウイルス (rAAV) の技術開発によって、核遺伝子疾患に対する遺伝子置換アプローチが、10種類以上のPMDの前臨床マウスモデルで成功裏に行われている。その中で、GS010 (lenadogene nolparvovec)の第3相臨床試験で有効性と良好な忍容性が示されたレーバー遺伝性視神経症が最も進展している。
ミトコンドリアDNA (mtDNA) 障害を治療する他の方法も、TALEN, ZFN、メガヌクレアーゼ (mitoARCUS) など、病原性変異体を持つmtDNA分子を分解するヌクレアーゼの改良を含め、進展してきている。
加えて、CRISPR-Cas9遺伝子編集技術により、核遺伝子の欠損に起因するPMDのマウスモデルにおいて生体内遺伝子編集が達成され、また、Casヌクレアーゼに依存しない遺伝子編集技術 (塩基エディター) によるmtDNA障害の治療の可能性が示されている。
最後に,十分な臓器導入を達成する観点と臨床試験デザインの観点から,遺伝子治療を患者に応用する際の課題について述べる。
加えて、CRISPR-Cas9遺伝子編集技術により、核遺伝子の欠損に起因するPMDのマウスモデルにおいて生体内遺伝子編集が達成され、また、Casヌクレアーゼに依存しない遺伝子編集技術 (塩基エディター) によるmtDNA障害の治療の可能性が示されている。
最後に,十分な臓器導入を達成する観点と臨床試験デザインの観点から,遺伝子治療を患者に応用する際の課題について述べる。
コメント