[出典] "dCas9/CRISPR-based methylation of O-6-methylguanine-DNA methyltransferase enhances chemosensitivity to temozolomide in malignant glioma" Rinonos SZ, Li T, Pianka ST [..] Lai A. J Neuro-oncol. 2024-01-15. https://doi.org/10.1007/s11060-023-04531-z [著者所属] Center for Brain Tumor Therapy (U Florida), UCLA Medical Center

 悪性神経膠腫の標準治療は、外科的切除、放射線療法とDNAアルキル化化学療法剤であるテモゾロミド (TMZ) の併用、およびTMZの術後補助療法である。一方で、内因性DNA修復酵素であるO-6-メチルグアニン-DNAメチル化酵素 (MGMT) が、腫瘍DNAからアルキル化病変を除去し、それによって化学療法抵抗性を促進する。MGMTプロモーターのメチル化状態はTMZに対する反応性の予測指標となり。非メチル化MGMTを保有する患者 (膠芽腫の約60%) は予後が悪く、TMZによる治療効果は限定的である。

 著者らは、dCas9にメチル化酵素DNMT3Aの触媒ドメインを融合したエピゲノムエディターをレンチウイルスを介してLN18神経膠腫細胞へ送達することで、MGMTのプロモーター、エンハンサー、DMR、MSP領域近傍の特定のCpGクラスターにおけるメチル化を実現した。

 その結果、オフターゲット効果を最小限に抑えながら、in vitroの生存アッセイにおいてMGMTのダウンレギュレーションと神経膠腫のテモゾロミドに対する感受性の増強が観察された