[出典] "Genome-Wide CRISPR/Cas9 Screening Unveils a Novel Target ATF7IP–SETDB1 Complex for Enhancing Difficult-to-Express Protein Production" Kim SH [..] Lee JS, Lee GM. ACS Synth Biol 2024-01-19. https://doi.org/10.1021/acssynbio.3c00646 [著者所属] KAIST, KRIBB, Ajou U (韓国), ABL Bio Inc (韓国), KRIBB School of Biotechnology; グラフィカルアブストラクト
近年、開発と承認が進んでいる生物学的製剤は一般的に発現が困難な (difficult-to-express: DTE) タンパク質である。このため、タンパク質生産の生産の効率向上が下得られている。韓国の研究チームは今回、DTEタンパク質の産生を促進する新規ターゲットの同定を目的に、二重特異性抗体(bsAb)産生チャイニーズハムスター卵巣 (CHO) 細胞を用いて、FACSを読み出しとするゲノムワイドベースのCRISPR-Cas9ノックアウトスクリーニングを行った。
このスクリーニングの結果、H3K9me3を介した転写抑制の結合パートナーである2つの遺伝子、Atf7ip とSetdb1 が同定された。ATF7IP-SETDB1複合体をノックアウトしたbsAb産生CHO細胞の増殖は抑制されたが、生産性は最大2.7倍向上した。また、H3K9me3レベルの低下と導入遺伝子の転写発現レベルの上昇も観察された。さらに、モノクローナル抗体 (mAb) 産生CHO細胞でATF7IP-SETDB1複合体に摂動を加えると、mAb産生が大幅に改善し、製品の品質に影響を与えることなく生産性が最大3.9倍向上した。
本研究において、ゲノムワイドなFACSベースのCRISPRスクリーニングにより、タンパク質生産性向上の有望なターゲットとして、ヒストンメチル化に関連する因子が同定され、それに摂動を加えることで導入遺伝子の発現抑制が解除され、実際に、生産性が向上することが示された。
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